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CASE 16
CASE 16

損害保険ジャパン株式会社

デジタルシフトの基盤としてAWSを採用。SOMPOグループの3か年中期経営計画に向けたマルチクラウド戦略を実行し、顧客向けのコスト最適化や品質向上の価値提供を目指す体制を確立。

PROFILE

損害保険ジャパン株式会社

1888年10月の創業以来、損害保険ジャパンは135年にわたって損害保険事業を展開していますが、同社を中核とするSOMPOグループは2021年、3か年の中期経営計画を策定しました。この計画をスタートさせるに当たり、同グループが20~50年の長期スパンで何を目指していくのかを定めたのが「SOMPOのパーパス」です。このSOMPOのパーパス実現の第一歩となる中期経営計画には、“安心・安全・健康のテーマパーク”を具現化する原動力となるリアルデータプラットフォームの構築やソリューション開発といったIT活用の視点が盛り込まれており、グループを挙げてDXを推進していく姿勢も色濃く打ち出されています。

損害保険ジャパンでは、SOMPOのパーパス策定以前の2017年当時、情報システムをプライベートクラウドやデータセンターなどのオンプレミス環境で稼働させており、運用保守業務を社外のパートナーに委託していました。しかし運用委託コストの高止まりに課題感を感じていたタイミングで、利用していたプライベートクラウドがサービス終了の時期を迎えていました。そこでシステムを順次Amazon Web Services(以後、AWS)へ移行することを計画、その際に併せて選択したのがJIG-SAWの提供するフルマネジメントサービスでした。その後ビジネス用途に合わせて対応できるマルチクラウド戦略を実行し、顧客向けにコスト最適化や高品質な価値提供ができる体制を確立しています。

損害保険ジャパン株式会社

1888年10月の創業以来、損害保険ジャパンは135年にわたって損害保険事業を展開していますが、同社を中核とするSOMPOグループは2021年、3か年の中期経営計画を策定しました。この計画をスタートさせるに当たり、同グループが20~50年の長期スパンで何を目指していくのかを定めたのが「SOMPOのパーパス」です。このSOMPOのパーパス実現の第一歩となる中期経営計画には、“安心・安全・健康のテーマパーク”を具現化する原動力となるリアルデータプラットフォームの構築やソリューション開発といったIT活用の視点が盛り込まれており、グループを挙げてDXを推進していく姿勢も色濃く打ち出されています。

損害保険ジャパンでは、SOMPOのパーパス策定以前の2017年当時、情報システムをプライベートクラウドやデータセンターなどのオンプレミス環境で稼働させており、運用保守業務を社外のパートナーに委託していました。しかし運用委託コストの高止まりに課題感を感じていたタイミングで、利用していたプライベートクラウドがサービス終了の時期を迎えていました。そこでシステムを順次Amazon Web Services(以後、AWS)へ移行することを計画、その際に併せて選択したのがJIG-SAWの提供するフルマネジメントサービスでした。その後ビジネス用途に合わせて対応できるマルチクラウド戦略を実行し、顧客向けにコスト最適化や高品質な価値提供ができる体制を確立しています。

事例サマリ

課題1

新たな顧客価値提供に向け、AWSを選択。小規模での利用開始は決定したが、利用促進に懸念があった

ビジネスの計画や状況に合わせて、AWSの知見蓄積や保守体制の投資を計画通り進めることができた

課題2

AWS移行を進めた後、中期経営計画の実行や理想とするサービス像に対応できるITパートナーが必要だった

サービスの枠や範囲にとらわれない柔軟なサービス体系を活用し、お客様向けのサービス価値を計画できた

課題3

マルチクラウド戦略に基づき、ビジネス用途に合わせてMicrosoft Azure、Google Cloudの導入も進めたい

顧客や自社のシステム環境ごとの変化に同等に対応できるマルチクラウドのサービス提供とサポート体制を構築

オンプレミスからクラウドへの移行に際し、新たなシステム基盤としてAWSを選択

損害保険ジャパンが、2021年に策定した中期経営計画には“安心・安全・健康のテーマパーク”を具現化していくための原動力となるリアルデータプラットフォームの構築やソリューション開発といったIT活用の視点が盛り込まれており、DX推進の姿勢が強く打ち出されています。

グループ全体の情報システムを統括するのがSOMPOシステムズで、こうしたグループを挙げたDX推進の取り組みについて、同社 アーキテクト本部 クラウドアーキテクチャグループ統括部長の三ツ木雄一氏は、次のように説明します。

「中期経営計画は、規模と分散の追求、新たな顧客価値の創造、働き方改革という3つの基本戦略で構成されるものですが、このうち特に強くITにコミットするのが新たな顧客価値の創造です。今後SOMPOグループは、既存の損害保険事業と親和性の高い健康やウェルネスといった分野での事業開発に注力していきますが、そのためには各事業に関わるリアルデータを有機的に連携するためのリアルデータプラットフォーム(RDP)を構築する必要があります。そしてこのRDPをベースに、新たな顧客価値を提供するソリューション開発を推し進めていきます。この根幹を支えるものが、2017年から利用を開始したパブリッククラウドです」(三ツ木氏)。

これまで損害保険ジャパンでは、グループが利用する情報システムをプライベートクラウドやデータセンターなどのオンプレミス環境で稼働させており、運用保守業務は社外のパートナーに委託していました。しかし運用コストが高止まりしており、一方でプライベートクラウドのサービスが終了を迎えるタイミングになっていました。そこで同社はこれを機にオンプレミス環境のシステムを順次パブリッククラウドに移行することを計画、その際に新たなシステム基盤として選定したのが、AWSでした。

損害保険ジャパン 三ツ木様

AWS環境の活用相談や運用体制をJIG-SAWに委託、柔軟なサービス体系とエンジニアのスキルを高く評価

当時AWSを選択した理由について、SOMPOシステムズ ITサービス本部 クラウド運用チームの村上拓也氏は、次のように説明します。

「オンプレミス環境を利用し続ける限り、運用保守体制の維持やサポート切れの問題は残ります。2017年当時、パブリッククラウドはまだほとんど利用していませんでしたが、世の中で最先端の取り組みをしているユーザー企業の事例を見た時、クラウドを活用しているところが非常に多かったのです。そこで我々もまずは使ってみよういうことで、複数のサービスを比較検討したのですが、AWSはクラウド業界ではトップシェアで導入事例も豊富でした。また既存環境の移行ではあるものの、SOMPOグループにとっては“パブリッククラウド上で新たにシステム環境を構築する”という意味合いのほうが大きかったため、利用できるOSやデータベースにほぼ制約のないAWSが最適だと考えたのです。さらにAWSでは提供されている情報量が多く、社内でエンジニアを育成していくための教材も豊富です。そこでAWSの採用を決定し、スモールスタートするところから始めました」(村上氏)。

こうしてAWSでスモールスタートを切ることを決めた損害保険ジャパンですが、その際には“AWS環境を維持する運用保守体制をどうするか”という課題も併せて解決する必要がありました。

「オンプレミス環境の運用保守体制を委託していたパートナー企業は、AWS環境を運用していくために当社が求めるレベルの知見を持たれておらず、我々にはこの課題を解決できる新たなパートナーが必要でした。そこでJIG-SAWを含む複数の企業から提案を出してもらい、最終的に2017年8月に採用したのが、JIG-SAWの提供するAWSの運用保守を委託できるフルマネジメントサービスでした」(村上氏)。

JIG-SAWを選定した理由として、村上氏は第一に柔軟なサービス体系を挙げます。

「最初AWSには代理店様を支援する営業システムなど約10のシステムを載せました。仮想サーバーの台数としては数十台規模ですが、JIG-SAWのフルマネジメントサービスの体系はサーバー1台単位で契約することができ、さらに我々が利用したいOSなどの要件にも全て応えてくれるものでした。また、IT業界は多層構造になっているケースが多く、現場で実際の作業に当たるのはユーザー企業が直接契約したパートナーからさらに委託を受けた他の会社という形態が一般的です。しかしJIG-SAWでは、豊富な知見を持ったJIG-SAWのエンジニアが24時間365日体制でAWSの稼働状況を定常的に監視し、技術サポートを代行してくれるので、我々にとっては非常に大きな安心感に繋がるものでした。こうした数々のメリットを評価して、新たなAWS環境の運用保守体制を全面的に委託するパートナーとして選択したのが、JIG-SAWでした」(村上氏)。

損害保険ジャパン 村上様

JIG-SAWの実力を信頼して戦略的なパートナーシップ契約に移行、運用委託対象もマルチクラウド環境に拡張

その後、損害保険ジャパンはAWS上で稼働させるシステムを順次増やしていき、新たに追加した仮想サーバーの運用保守もフルマネジメントサービスに載せるという対応をとってきました。

「スモールスタートで始めたAWSですが、約3年間で稼働しているサーバー台数もかなり増えていました。JIG-SAWも、当初は案件単位での契約だったのですが、今後運用委託対象がさらに増加していくことを睨み、2020年に従来の契約に加えて、今後増えていくサーバーはインスタンス数やサービス規模にとらわれない包括契約とし、さらに半年後の2021年には複数の契約を統合した複数年の新たな包括契約をITインフラを支える戦略的なパートナーとしてJIG-SAWと締結しました。この時点で監視対象のサーバー台数は約500台に到達していました」(村上氏)。

同社は、サーバー台数の増加を見据えた新しい契約を検討する際にも、改めてJIG-SAWを含む複数のパートナーからの提案を比較したとのことですが、この点について三ツ木氏は次のように強調します。

「中期経営計画の基本戦略の1つである新たな顧客価値の創造という観点から考えた時、我々が第一に考えるべきポイントは、お客様に最大の価値をご提供することです。2017年以降、JIG-SAWの運用保守サービスは我々のAWS利用を強力にサポートしてくれてきましたが、新たなフェーズに移行する際には、改めてお客様メリットを最優先に、利用する各種ITサービスも精査し直す必要があります。包括契約の検討時はまさにそんなタイミングで、改めて複数の運用保守サービスを比較した結果、この時にもJIG-SAWの採用を決定したということになりました」(三ツ木氏)。

2017年の利用開始以降、JIG-SAWのフルマネジメントサービスの柔軟なサービス体系やエンジニアのスキルは周知のメリットでしたが、2021年の時点で同社がさらに重視したのが、フルマネジメントサービスがマルチクラウド環境の運用保守にも対応していることでした。この点について、SOMPOシステムズ アーキテクト部の吉積悠大氏は、次のように説明します。

「当社はマルチクラウド戦略を採っており、まずはAWSの利用からスタートしましたが、それはクラウド上で新たにシステムを構築し直すクラウドシフトというよりも、オンプレミスのシステムをそのままクラウドに移行するクラウドリフトに近いものでした。この観点では、社内で稼働する数千台規模のオンプレミスサーバーがあり、これらをまずクラウドシフトしていくことを考えています。その際には用途に合わせてGoogle Cloudのコンテナ実行環境であるCloud Runの使用や、そういったマネージドサービスへのクラウドシフトを検討したり、Microsoft Azureを使ったWindowsベースのシステム構成を検討したりすることも視野に入れています。こうしたマルチクラウド環境が前提となった時に、我々としては各クラウドの運用保守を個別に外部委託するのではなく、ワンストップで対応してもらえることがベストです。このニーズに合致したパートナー企業の中から、柔軟性と高い専門性を評価しJIG-SAWを選定しました」(吉積氏)。

損害保険ジャパンでは、2021年4月の時点でMicrosoft Azureの利用は既に始まっており、Google Cloudへの移行も2023年度中に数件、進める予定とのことです。

損害保険ジャパン 吉積様

非定型な運用にも強いJIG-SAWに大きな安心感、今後もハイレベルなフルマネジメントサービスの提供を期待

2017年以降のJIG-SAWのフルマネジメントサービスの導入効果として、村上氏は第一に“何でも相談できる安心感”を挙げます。

「通常運用保守を委託するパートナーからは“ここまでならできます”とか“こういう手順を用意していただけたら対応します”といった前提条件を提示されることが多いのですが、JIG-SAWはまず“困ったことやお悩みがあれば聞かせてください”という姿勢で接してくれるのです。JIG-SAW内には経験豊富なエンジニアの方がいるので、我々からの相談にも迅速かつ的確に回答してもらうことができます。現在JIG-SAWのエンジニアの方とは週次で定例会を実施しており、何か困りごとがあればその会で課題を共有し、計画を策定させていただいています」(村上氏)。

また吉積氏は、JIG-SAWが“非定型な運用にも強い”点を強調します。

「クラウド環境に限らずシステムを運用していく際には、通常の運用手順には乗らない非定型な対応が必要になる場面が多々ありますが、JIG-SAWの包括サポートでは、弊社の要求する非定型業務に時間をかけて対応してもらうことができる項目を設けられています。これも豊富な知見があってこそのサービス内容だと思いますが、ユーザー企業にとっては本当に心強い限りです」(吉積氏)。

JIG-SAWに対する今後の期待として、村上氏は有用な提案ならどんどんして欲しいと語ります。

「システムの安定稼働は大前提として、さらなる運用保守業務の効率化や品質向上のために、次々に提供されるAWSの新たなサービスや導入事例だけでなく、サードパーティーの製品でも提案していただきたいと思います」(村上氏)。

また吉積氏は、今後システム構築をIaC(Infrastructure as Code)化していくことを前提に、運用フェーズも同じコードを使って効率化や品質の向上を測っていくことを考えていると続けます。

「JIG-SAWとは、効率化や品質向上を目的としたIaCによるシステム運用を一緒に実現していきたいと思っています」(吉積氏)。

そして最後に三ツ木雄一氏は、可観測性やAIOpsなど最新の機能や手法を取り込み、それら運用保守の標準サービスとして提供、拡充していって欲しいと強調しました。

「我々ITの立場からは、お客様に対する新たな価値をアプリケーションとしてご提供していきたいと考えています。そのためにはソリューション開発により注力していく必要がありますが、システムのさまざまな運用保守業務はJIG-SAW側の標準サービスとして拡充していただき、我々は提供を受けるだけという形が理想的です。これからもJIG-SAWには、我々がビジネスやアプリケーションデザインに集中できるようなハイレベルなフルマネジメントサービスの提供を期待しています」(三ツ木氏)。

構成イメージ図

構成図

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