トヨタ自動車株式会社様
サービス開発基盤となるAWSの運用監視をJIG-SAWに委託、
運用コストを削減し、開発業務に注力できる時間を確保
トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車では、今を100年に一度の大変革時代と捉え、モビリティ(=可動性、移動性)サービスを提供する“モビリティカンパニー”へとモデルチェンジすることを目指している。
モデルチェンジを進める中で、同社が検討を進めているのが、ドライバーとクルマを見守り、安全運転やエコな運転を支援するためのサービス開発だ。検討の中で開発基盤となるシステムインフラを効率的かつセキュアに運用していくことが求められた。
この運用監視業務を委託するパートナーとしてJIG-SAWが選ばれた。
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トヨタ自動車では、今を100年に一度の大変革時代と捉え、モビリティ(=可動性、移動性)サービスを提供する“モビリティカンパニー”へとモデルチェンジすることを目指している。
モデルチェンジを進める中で、同社が検討を進めているのが、ドライバーとクルマを見守り、安全運転やエコな運転を支援するためのサービス開発だ。検討の中で開発基盤となるシステムインフラを効率的かつセキュアに運用していくことが求められた。
この運用監視業務を委託するパートナーとしてJIG-SAWが選ばれた。
増加し続けるAWS環境の運用監視業務を効率化したい
現在トヨタ自動車はドライバーとクルマが末永く、安心・安全なモビリティライフを過ごすことのできるサービスの開発を進めている。
最近の取り組みとしては、同社が株式会社KINTOと共に2022年1月28日より提供開始した安全装備などの後付けサービス「KINTO FACTORY」を介して、同年7月8日から実施していた実証が挙げられる。アルファードおよびヴェルファイアの利用者を対象に希望者を募り、コネクティッドサービス「T-Connect」を通じてアクセルやブレーキの操作などの運転データを収集・分析して、現状の運転に対する評価とアドバイスを提示する。そして診断結果に応じて、利用者の車の機能をさらに進化させていくためのメニューを提案するというものになる(実証はすでに終了)。
更に直近では、車のサブスクリプションサービス「KINTO Unlimited」の中で、新型プリウス向けに、前述の運転診断や車の進化のメニューの提案を更に発展させた「コネクティッドドライブトレーナー」を実証の位置付けで提供することが、2022年12月7日に発表された。
こうしたサービス開発時の開発スタイルや開発手法について、先進技術カンパニー プロジェクト領域 AD-V:バリューチェーン革新プロジェクト グループ長の遠藤雅人氏は、次のように説明する。
「私たちの部署が正式に立ち上がったのは2020年4月です。それ以来、私たちは、企画・開発したサービスを最終消費者としてのお客様やモビリティサービスを提供されている事業者様と共に実証、つまりPoC(*1)を行うことでサービスを一緒に作り込んでいくという開発スタイルを採っています。そのため開発手法もアジャイル開発を採用し、最初のプロトタイプを基にブラッシュアップを繰り返すことで、お客様のニーズに合致したより高品質なサービスを完成させることを目指しています」(遠藤氏)。
そこでは基盤となるシステムインフラにも柔軟な拡張性が求められることになるが、今回のプロジェクトでは、このPoCの基盤としてアマゾン ウェブ サービス(AWS)が採用された。他システムとの連携のしやすさや、AWSが提供するデータベース、監視ツールなどの各サービスが今回のPoCに活用しやすいと考えたからだ。その後、プロジェクトが進行してしばらくすると、AWSの運用監視業務に課題を抱え始める。当時の状況について、同グループでサーバー開発を担当する長谷高明氏は、次のように振り返る。
「当部署で最初に立ち上げた1つめのPoCでは、ある程度の成果を出すことができました。その成功事例を受けて部署内外から“こういうこともやりたい”“ああいうデータを取りたい”など要望が数多く出てきました。この時期は私一人で開発・運用・管理・監視を行っており、要望を受けて新たなPoCをどんどん立ち上げていきました。その結果、あっという間にEC2の数が10台を超え、技術開発をしながら、維持管理も私がしていくことになりました。今後の成り行きを考えたときに、10台、20台、30台・・・と増え、運用監視の人員が必要と感じるようになり、本来の開発業務に集中することが難しくなっていく未来が見えました。このままでは、既に実証中のPoCにも迷惑をかけてしまう。共倒れにならないために、“運用監視業務を効率化する方法”を考え始めました」(長谷氏)。
(*1)Proof of Concept(概念実証)の略称
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サービス内容とコスト優位性から、JIG-SAW OPSを選択
そこで長谷氏は、24時間365日対応で運用監視サービスを提供しているITサービス会社を探すところから始めた。
「取引のある複数のシステム会社にヒアリングしたり、インターネットの情報を調べたりしました。その中の一つが、JIG-SAWでした。紹介を通じてJIG-SAWに連絡し、サービス内容や価格などの話をいろいろ聞かせていただきました。何度かのやり取りを通じて、最終的に選択したのがJIG-SAWの提供する『JIG-SAW OPS(*2)』でした」(長谷氏)。
さらに、長谷氏はJIG-SAW OPSの依頼範囲や選定理由について、このように続ける。
「今回運用監視の依頼対象としたのは、私たちがPoCの基盤として利用している数十台のAmazon EC2がメインです。JIG-SAW OPSは多くのサービスに対応しており、私たちが利用しているAWSも含まれていました。商談の過程でJIG-SAWには、私たちのやりたいことや監視対象の範囲を理解した上で、“それならこのプランで対応できます”とか“そこまで広げたいなら、このプランでいかがいでしょうか”といった多くの提案と複数の見積もりを提示してくれました。このことが、大きな信頼感や安心感に繋がりました。また、私たちが利用したい機能についてコスト優位性があったこともJIG-SAW OPS導入の理由の一つとなりました。」(長谷氏)。
こうして同社では、2021年夏にJIG-SAW OPSの導入を決定、同年12月より利用を開始した。
(*2)24時間365日でのシステム監視・運用代行から各種セキュリティサービス、クラウドサービスの導入支援までをワンストップで提供するフルマネージドサービス。
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アラート検知時の対応負荷を削減でき、本来業務に集中できるように
JIG-SAW OPSでは、自動運用システム「puzzle」による自動監視と、正社員エンジニアによる有人監視という二重監視体制を敷いており、AWSの監視としてCloudwatchを利用し、puzzleにアラート通知を転送し、JIG-SAWの専任エンジニアにエスカレーションするという形を採っている。
「以前自分たちで運用監視を行っていた時に一番頭を悩ませていたのが、Amazon Cloud Watchからアラートを受け取った時に誰がどう対応するのか、ということでした。私たちの本来業務は新しいサービスの開発やお客様ニーズに基づく改良ですが、その一方でシステムの運用監視も24時間365日自分たちで行わなければならないというのが困難な事案でした。その業務にJIG-SAW OPSを適用したことで、アラートが発生した時のメールや電話による私たちへの連絡に加えて、あらかじめ決めておいた手順書に基づく障害の一次対応や、必要に応じてその後の障害調査・復旧までJIG-SAW側で実施いただけるようになりました。日々の運用面でも週に1回、ソフトウェアにパッチを適用する作業も実施して頂いていますので、運用監視業務における我々の負荷が大きく削減できました」(長谷氏)。
さらにこの点に関連して遠藤氏は、次のように続ける。
「JIG-SAW OPSを採用したことで、これまで運用監視も行っていたメンバーが、新しいサービスの開発に集中することが可能となりました。これは、プロジェクトがより付加価値の出せる、あるいは新たなチャレンジができる業務に注力できるようになったということです。こうした環境を獲得できたことは、私たちのプロジェクトを加速していくための大きなメリットであると考えています」(遠藤氏)。
「運用負荷の軽減、運用品質の向上、運用コストの低減のいずれの観点からも、JIG-SAW OPSを採用させて頂いたことは、良い選択だったと考えています」(長谷氏)。
“今後も新しい技術の導入や運用のサポートは、JIG-SAWに相談したい”
JIG-SAW OPSの利用開始から半年以上が経過した現在、システム運用面では大きな問題は発生していないと話すが、長谷氏には1つ、記憶に残っているやり取りがあるという。
「AmazonCloudWatchからアラートが上がり、JIG-SAWのエンジニアの方から連絡を頂いたのですが、すぐにこちらでは対応ができず、一旦システムを停めて頂いたことがありました。ウイルス定義ファイルが間違って更新されたため、アンチウイルスソフトが誤検知したことが原因で、実際のシステムには何の問題もなかったのですが、これがもし本番環境で、本当にウイルスを検知していたとすれば、そこでシステムを止めて頂けたことは、その時点での被害を最小限に留めることができたということです。リアルなインシデントだったら、本当に助かっていたなと実感しています。今後も24時間365日体制で見守って頂けることについては、心強く感じています」(長谷氏)。
続いて、遠藤氏も次のように語っている。
「今後もお客様や私たちのやりたいことはどんどん増えていきます。それに伴い、PoCの数やサーバー台数もより一層増加していくことでしょう。さらにクラウドの世界では、サーバーレスコンピューティングといったトレンドも存在しています。私たちは、そうした新たなテクノロジーも存分に活用して、プロジェクトを加速していきたいと考えています。その際には改めて、運用面のサポートはについてJIG-SAWに相談させて頂きたいと考えています」(遠藤氏)。
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構成イメージ図
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約400台のサーバ環境の運用監視をJIG-SAWに全面移管、
運用状況全体の可視化を実現し、今後の検討課題も明確化
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