株式会社サイバード様
データセンター移行支援および 移行後の大規模プライベートクラウドの自動監視・運用サービスのご利用
株式会社サイバード
1998年に設立されたサイバードは、大きく2つの事業を展開している。
1つが「イケメンシリーズ」や「BFB Champions~Global Kick-Off~」等自社ブランドや人気ライセンスを活かしたゲーム事業と、もう1つが、魅力的なライセンスを活かした「細木数子六星占術」や「オートレースモバイル」等芸能人や著名な文化人、人気のアニメやキャラクターなどのエンターテインメントサービスを提供するコンテンツ事業だ。同社では、両事業を併せて約400台のサーバーを稼働させており、外部のデータセンター事業者が提供する沖縄のデータセンターでハウジングサービスを利用していた。
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管理コストの増大と運用担当者の確保が困難になり、データセンターの移行を決定
データセンターを移行する前の状況について、同社クリエイティブ統括本部開発統括部インフラ部 エンジニアの泉名大介氏は、次のように説明する。
「2014年当時、社外のクラウドサービスは使っておらず、データセンターはオンプレミス環境のために利用していました。400台のサーバーのうち、約320台をコンテンツ事業で使っていたのですが、その一部をそのまま物理サーバーとして運用し、もう一部を仮想化してプライベートクラウドとして利用していました。しかし管理コストが非常に膨れ上がり、運用を担当するインフラエンジニアを確保することも難しくなってきていたのです」(泉名氏)。
5年前に導入した約400台のサーバーが、ちょうど一斉にリース切れを迎えるタイミングだったこともあり、同社ではデータセンターのリプレイスを決定、回線コストが非常に高かった沖縄のデータセンターから、別のデータセンター事業者が提供する福島県白河市のデータセンターを選定、2015年1月から半年をかけて移設を完了させた。
データセンターの移行に伴い、従来の物理/仮想環境を全てVMwareに集約
データセンターを移行するにあたって、サイバードでは、コンテンツ事業で利用していた約320台の物理サーバーについて、物理環境をそのまま利用していたものと、仮想化してプライベートクラウドとして利用していたものを全てVMwareに移行することにした。各々P2V(Physical to Virtual)、V2V(Virtual to Virtual)と呼ばれるマイグレーションだ。
「理由としては、やはり全て仮想環境に集約したほうが使い勝手がいいからです。また以前の仮想環境では、仮想化ソフトウェアとしてオープンソース(OSS)のKVMとXenを利用していたのですが、新しい環境ではこれらを全部、プライベートクラウドの実績が豊富なVMwareに統一することにしました」(泉名氏)。
確かにOSSはコスト削減に繋がるソリューションではあるが、例えば当時サイバードではXenの運用で非常に苦労をしていたという。
「何か分からないことがあった時にOSSコミュニティに問い合わせても、我々が必要とする明確な回答は得られず、結局インフラエンジニアが力技で対処療法的に運用を回していくしかありませんでした。先にも述べたように、人員の確保は難しくなってきている中、有償であっても、きちんとしたベンダのサポートがある製品を選択したほうが結果的にコストメリットは大きい、という判断をしたのです」(泉名氏)。
1~2割のコスト低減に加えて、
“信頼できるパートナー”だと確信したJIG-SAWを選定
“データセンターはP2VとV2Vで移行する”という方針を打ち出したサイバードだったが、泉名氏には大きな検討課題があったという。
「従来環境には、かなり古いOSやミドルウェアが存在しており、果たしてそれらが全てVMwareに載るのかどうかが、一番の懸案事項でした」(泉名氏)。
そこで同社は外部のITサービスベンダにデータセンターの移行を支援してもらうことを決め、移行後のシステム運用のアウトソーシングまでを含めて、候補としてJIG-SAWを含む3社をリストアップした。
しかし導入対象となるのは、移行支援や運用支援といったサービスだ。ソフトウェア製品のような機能比較ができるわけでない。そこで同社は、まず候補企業の技術的なスキルレベルを把握するために数十項目から成るヒアリングシートを作成、3社に渡して回答してもらい、その内容を精査することで候補企業の比較検討を行った。
「ヒアリングシートの項目としては、我々が使っていたOSの古いバージョンからのP2V/V2Vの実績があるか、同じく我々が使っていたミドルウェアに対する知見がどれだけあるか、といったもので、上がってきた回答を精査した時点でまず1社、スキル的に難しいと判断し、お断りしました」(泉名氏)。
そして残った2社のうち、最終的に選択されたのがJIG-SAWだった。泉名氏はその理由を次のように強調する。
「まずコスト面で、半年間の移行フェーズの作業コストと向こう3年間の運用コストを合計して比較した結果、JIG-SAW様のほうが1~2割、安く抑えられることが分かりました。また言い方が少し難しいのですが、JIG-SAW様は“柔軟に対応していただけそうだった”のです。残ったもう1社は月額いくらで、その中で非常に細かく“これはやります、これはやりません”ということが決められており、ユーザ目線で考えていただけていないサービスメニューだと感じました。これに対しJIG-SAW様ではスパッと線引きをするのではなく、“自分たちができる範囲であれば、可能な限りご要望にお応えします”というスタンスを示していただき、非常に気概を感じましたね」(泉名氏)。
泉名氏には1つ、強く印象に残っている出来事として、手順書の作成場面があるという。
「通常MSP(Management Services Provider)と呼ばれる運用サービス会社に、今回のような移行や運用をアウトソースしようとする時には、“とにかく手順書を作ってください、それがなければ我々は何もできません”と言われるケースがほとんどです。でもJIG-SAW様は“手順書が無ければ、自分たちで御社のご担当者様にヒアリングして作成します”と言ってくださったのです。そして実際に作っていただきました。こうした観点からも、JIG-SAW様は本当に“信頼できるパートナー”だと実感することができました」(泉名氏)。
JIG-SAWの高い技術力がスクラッチ開発を不要にし、
約20人月ものコストを削減
データセンターの移行に当たって、泉名氏が一番の懸案事項だと考えていた従来環境のVMwareへの載せ替えだが、この点についてもJIG-SAWのサポートによって、いくつかの問題は発生したものの、滞りなく完了することができたという。
「KVM環境とXen環境のVMwareへの移行は、VMware vCenter Converterというコンバータを使って各々のイメージをVMwareのイメージに変換するという作業を行うのですが、当初は手順通りに進めても途中で止まってしまい、何回か繰り返すと成功するというようにかなり不安定でした。またコンバートが成功しても、実際にVMware上で動かしてみるとOSが起動しない、仮想化できないという事態も発生したのですが、この時にもJIG-SAW様がVMwareをカーネルレベルでチューニングしてくださったことで、問題を解決することできました。非常に心強かったですね」(泉名氏)。
当初泉名氏は約320台のサーバーのうち、20数台はコンバートできないのではないか、その場合にはイチからスクラッチで作り直すしかない、と考えていたという。
「結局コンバートできなかったのは、2、3台だけでした。本来想定していたより約20台も少なくて済み、スクラッチで作り直すためには1台1人月はかかるので、トータルで約20人月ものコストが削減できたということです。JIG-SAW様がVMwareのカーネルレベルの技術力を持っていたからこそ、得られたコスト効果だと考えています」(泉名氏)。
納期も厳守してくれたJIG-SAW、今後はインフラ以外の支援にも期待
冒頭でも紹介したように、コンテンツ事業ではオートレースモバイルというWebコンテンツを提供しているが、オートレースは1年間に約350日も開催されており、データセンターを移行して本番環境を切り替えるといっても、レースが行われた日にシステムを止めることはできない。
「そのためシステムを停止できるのはレース翌日の夜中だけで、年間に約10日しかありません。本番環境の切り替えは、この日の、この時間帯の8時間だけ、という非常に厳しい要件になるのです。またレースだけでなく、ビジネス部門がプロモーションを実施する時期などもあり、移行スケジュールには本当に厳しい制約条件がありましたが、JIG-SAW様は2015年7月末というスケジュールを厳守してくださいました。仮に納期が1か月延びれば、運用コストが追加で500万円かかる計算になります。なかなか見えにくい部分ではありますが、納期厳守は我々のコスト削減にも繋がってくる話です」(泉名氏)。
データセンターの移行は2015年1月から順次進められて7月末に完了、8月1日から全面的にカットオーバーした。現時点で1年強の運用期間が経過したことになる。
JIG-SAWの運用監視サービスの利用メリットについて、クリエイティブ統括本部開発統括部インフラ部 エンジニアの大山口晃輔氏は、次のように説明する。
「以前システムからアラートが上がってきた時には、インフラ担当のメンバー全員で内容を確認し、対応が必要なものを精査して処理に当たっていました。何らかのイベントを実施してWebサイトにアクセスが集中した時には、1日に約100件のアラートが上がってくることもあり、その対応だけで終日追われていたこともありましたが、今は一次アラートの切り分けをJIG-SAW様が行い、対応が必要なものだけをエスカレーションしてくれるので、運用負荷は大幅に低減しました。我々が行う2次対応の件数は、多くても10件あるかないかです。そして余裕のできたマンパワーを、例えばインフラで改善していかなければならない箇所の解決など、生産性の高い業務に割り当てられるようになりました。これは非常に大きなメリットです」(大山口氏)。
「今JIG-SAW様にはデータセンターの運用監視をお願いしておりますが、今後はDBA(DataBase Administrator)などデータベースのレイヤー、さらにはアプリケーションレイヤーの支援までお願いできるようになれば非常に心強いですね。JIG-SAW様の今後の展開に期待しています」(泉名氏)。
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