Azure Monitorの機能とその料金まとめ
2022.01.05
Microsoft Azure には、システム運用や監視に関するサービスがいくつも存在します。これらのサービスについて、統合的な監視・分析を行うサービスが「Azure Monitor」です。
本記事では、システム監視の重要性を踏まえ、Azure Monitorの概要、料金体系、機能について解説しています。
はじめに
現在、ますますITの重要性は高まり、毎日数多くのシステムが利用されています。ITは私たちの日常生活に密着しており、非常に身近な存在です。しかし、これらのシステムは残念なことに、システムの環境を構築するだけで問題なく動き続けるものではありません。
エンドユーザに正常にサービスを提供するためにはシステムの監視が必要で、そのためのサービスやツールが様々な企業から出ています。そこで今回は、マイクロソフト社が提供する監視ツール「Azure Monitor」にフォーカスし、機能と料金をまとめました!
記事前半ではシステム監視の必要性、後半ではAzure Monitorについてまとめています。ぜひご覧ください。
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システム監視はなぜ必要?
システム監視はなぜ必要なのか。そのような疑問をお持ちの方も多いと思います。
システムは、一度稼働させたらそのまま問題なく動き続けてはくれません。システムの内部的、外部的、その他様々な理由による障害が発生し、エンドユーザに正常にサービスを提供できなくなってしまうことがあります。
そのような事態を予防し、サービスを安定稼働させるために、システム監視は非常に重要です。また、万が一障害が発生した場合にも、システム監視をしていれば、その原因を特定しやすくなり復旧を早くすることが可能となります。
Azure Monitorの概要
Azure Monitorとは、マイクロソフト社の公式サイトを引用すると、
Azure Monitor には、アプリケーションとサービスの可用性およびパフォーマンスを最大化する効果があります。クラウドおよびオンプレミス環境のテレメトリを収集、分析し、対応する包括的なソリューションを提供します。 この情報を頼りにアプリケーションの実行状態を把握し、アプリケーションやその依存リソースに影響を及ぼす問題を事前に突き止めることができます。
というサービスです。つまり、クラウドやオンプレミス環境で稼働している監視対象リソースの、データ収集・監視・分析・可視化などを、統合的に行うことができるサービスになります。
参考:Azure Monitor の概要(マイクロソフト 公式サイト)
Azure Monitorの機能と料金
ここからは、Azure Monitorの各機能とその料金についてまとめていきます。
なお、価格は2021年12月の東アジアリージョンのものです。
Azure Monitorには、ログデータの収集・分析、Webテストによる可用性の監視、稼働状況の監視、アラートなどの機能があり、機能ごとに料金が設定されています。
Log Analytics と Application Insights
Log Analyticsとは、Microsoft Azure Portal内でログクエリを編集したり、その結果を対話形式で分析したりするための主要なツールです。Windowsイベントログ、Syslog、カスタムログなどを収集します。
Application Insightsとは、開発者やDevOpsプロフェッショナル向けの、拡張可能なアプリケーションパフォーマンス管理サービスです。パフォーマンスの異常を検出や組み込まれている分析ツールで問題の診断等が可能です。
Azure Monitorは、上記2つのシステムで取り込んだデータに対して従量課金、またはコミットメントレベルで請求されます。それぞれの料金は、以下の通りです。
価格レベル | 料金 | 従量課金制の割引率 |
---|---|---|
従量課金制 | $4.03/GB | なし |
100GB/日 | $303.80/日 | 25% |
200GB/日 | $570.40/日 | 29% |
500GB/日 | $1340.75/日 | 33% |
1000GB/日 | $2635/日 | 35% |
ワークスペースに取り込まれたデータについて、Log Analyticsは最初の31日間まで無料で保持され、Application Insightsは90日間無料で保持されます。それ以降は、1か月間保持されたデータについて1GBあたり$0.18の料金がかかります。
Log Analyticsデータのエクスポート機能についても、$0.155/GBの料金がかかります。
つまり、まとめるとLog AnalyticsとApplication Insightsは、データの取り込みと保持それぞれに、Log Analyticsについては、さらにデータのエクスポートについても費用が発生します。
Webテスト
Webテストには、「URLのpingテスト」と「複数ステップのWebテスト」の2種類があります。
URLのpingテストは、高度なHTTP要求機能を用いてエンドポイントが応答しているかどうかの検証を行います。料金は無料です。複数ステップのWebテストは、現在非推奨の機能のため、ここでは詳しく述べません。詳細は、公式サイトをご覧ください。
プラットフォームログ
プラットフォームログとは、Azureリソースとそれらが依存しているAzureプラットフォームの、詳細な診断情報と監査情報が提供される機能です。
プラットフォームログの種類としては、リソースログ、アクティビティログ、Azure Active Directoryログがあります。この機能では、各送信先に送られるログの量に対して、以下の料金がかかります。下記の請求は、2022年2月より開始されます。
移行先 | 料金 |
---|---|
Logs Analytics | Log Analyticsデータインジェスト料金に含まれる |
ストレージまたはイベントハブ | $0.388/GB |
Marketplaceパートナー | $0.388/GB |
正常性監視
仮想マシンのCPU使用率、ファイルシステム、空き領域、論理ディスク、メモリ等の項目についてデータを収集し、その項目ごとに詳細な情報を表示することができ稼働状況の監視が可能となります。
この機能は、Azureリソースについて正常性基準を使用して監視されているメトリックの時系列に対して1か月あたり$0.10の料金がかかります。
アラートルール
Azure Monitor の監視データを使用してインフラストラクチャまたはアプリケーションに問題が見つかったとき、アラートによって事前通知されます。
アラートルールは、アラートとする条件(たとえば、CPU使用率 > 70%)やアラート発生時のアクションなどを設定することができます。この機能には、その監視対象となるシグナルの種類と数に応じて課金されます。料金は以下の通りです。
アラートシグナル | 料金 |
---|---|
メトリック | 監視メトリック時系列1つにつき $0.10/月 |
ログ | 監視対象ログ1つにつき 15分以上の間隔 $0.50/月 10分間隔$1/月 5分間隔$1.50/月 1分以上間隔$3/月 |
大規模なログ監視 | 監視対象時系列あたり 15分以上の間隔 $0.05/月 10分間隔$0.10/月 5分間隔$0.15/月 1分以上間隔$0.30/月 |
アクティビティログ | 無料 |
動的しきい値 | 動的しきい値あたり$0.10/月 |
通知
通知は、アラートルールがトリガーされたタイミングに基づいて送信されます。送信するように設定した通知の種類と数に基づいて課金されます。
機能 | 含まれている無料ユニット | 料金 |
---|---|---|
ITSMコネクタの作成イベントまたは更新イベント | イベント1000件/月 | $5/1000イベント |
メール | メール1000通/月 | $2/100,000通 |
プッシュ通知 | 通知1000件/月 | $2/100,000回 |
Web hookをセキュリティで保護する | セキュリティ保護されたWeb hook1,000,000件につき、$6 | |
webhook | Webhook 100,000件/月 | $0.60/1,000,000件 |
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まとめ
今回は、Azure Monitorの機能と料金についてご紹介しました。
ここまでお読みいただいた方で、「Azure Monitorは便利そうだけど料金体系が複雑だな」、「非常に高機能だけど、自社では使いこなせないかも」など思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
弊社では、お客様のシステムを24時間365日監視するサービスを提供しております。本サービスは、Azure Monitor などすでにご利用中の監視ツールによる監視代行も可能で、まだどの監視ツールを利用するか決まっていないお客様には、弊社の自動監視システム「puzzle」を無料でご利用いただくことも可能です。
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