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AzureでWindows仮想マシンを作成してみた

Azureで、Windows仮想マシンを構築。監視ツールも導入

2021.12.08

本記事のポイント

本記事では、Microsoft Azureの特徴をおさらいするとともに、Azure上で1台構成の仮想マシンを構築する方法をまとめています。

また、構築した仮想マシンが正常に稼働しているか、障害発生の予兆がないかなどを確認するためには、監視ツールの導入が必要です。今回、監視ツールの導入から、アラートをメールで受信するための設定までご紹介します。



はじめに

昨今、IT化が進むにつれてクラウドサービスを提供する企業が増えてきました。

アマゾン ウェブ サービスが提供するAmazon Web Services(AWS)をはじめとし、GoogleではGoogle Cloud Platform、マイクロソフトではMicrosoft Azureなどのクラウドサービスがありますが、それぞれの企業ごとに多種多様なサービスを展開しています。

本記事では、Windowsでお馴染みのマイクロソフトが提供しているAzureについて簡単にご紹介するとともに、実際にAzure上で仮想マシンを構築する方法をご紹介します。

> Microsoft Azure 運用監視 – 代行サービス 詳細はこちら

Microsoft Azureとは – 他社比較・料金など

様々な企業が提供しているクラウドサービスですが、Azureにはどういった強みがあるのかをまとめました。一般的にクラウドはIaaS、PaaS、SaaSを提供していることが多いなか、Azureは主にIaaS、PaaSに分類されるサービスを提供しています。

Azureの特徴として以下があげられます。

【特徴1】200以上のサービスを提供

ストレージサービスから仮想マシン、さらにはIoTやMR(複合現実)まで200以上のサービスを提供しています。(サービス一覧はこちら

【特徴2】人気のサービスが、1年間無料。200ドルのクレジットを付与

アカウント作成後、特定のサービスを12か月間無料で利用でき、200ドルのクレジットが付与されます。なお、200ドルのクレジットを使用し終わった後も、超過分のみのお支払いでサービスの利用が可能です。

【特徴3】25種類以上のサービスが、常に無料

データベースやコンテナサービス、機械学習など20以上のサービスが無料で利用できます。ただし、各サービスごとにリクエスト数、操作回数、ストレージ容量などに上限があります。

【特徴4】月々に必要な費用の、見通しを立てやすい

料金体系として他のクラウドサービスと同様、使った分だけ支払う従量課金制を採用しています。従量課金制のため、月々の料金の見立てが難しい場合もあるかと思います。しかし、Azureでは利用予定のサービスの月額金額を計算する「料金計算ツール」を提供しているため月々に必要な費用の見通しが立てやすいでしょう。(計算ツールはこちら

さらに、Azureの料金計算ツールは実際に利用を考えているシステム構成での料金計算が可能なため、「実際の費用とツールでの予測額と全然違った!」ということは起こりづらいのではないかと思います。

また、従量課金制のほかにもAzureサブスクリプションといった月額料金を払うことで利用できるサブスクリプションも提供しています。

次からは実際に仮想マシンを構築していきます。

> Microsoft Azure 運用監視 – 代行サービス 詳細はこちら

仮想マシンの構築方法

それでは実際に仮想マシンを作成していきます。今回はひとまずお試しで、1台作成していきます。アカウントにログイン後、以下のようなホーム画面に遷移し、[リソースの作成] をクリックします。

ポータル画面- AzureのWindows仮想マシン

リソースの作成画面に遷移するので、赤枠の部分に「windows」と入力し、エンターキーを押下すると次の画面に遷移します。

リソースの検索- AzureのWindows仮想マシン

そうすると、作成可能なリソースが表示されるので目的にあったものを選択します。本記事では「Windows Server 2019 Datacenter」で作成をしていきます。

リソースの作成- AzureのWindows仮想マシン

仮想マシンの作成

「仮想マシンの作成」画面に遷移するので、以下表の設定で仮想マシンを作成します

仮想マシンの作成
設定項目 入力項目
Subscription Azure subscription
※今回はデフォルトで設定されている値にしました。
Resource group 事前にリソースグループを作成していないので [新規作成] をクリックして任意の名前を入力。
今回は「JIG-SAW_tech」と入力しました。
仮想マシン名 JIG-SAW-2021-12
Region 「東日本」を選択
可用性オプション 「インフラストラクチャ冗長は必要ありません。」を選択
Security type 「Standard」を選択
イメージ 「Windows Server 2019 Datacenter – Gen1」を選択
サイズ 「Standard_B1s – 1 vcpu、 1 GiB のメモリ」を選択
ユーザ名 任意の名前。今回は「JIG-SAW_user」にしました
パスワード 任意のパスワード
パスワードの確認 上記で入力したパスワード
パブリック受信ポート 「選択したポートを許可する」を選択
受信ポートを選択 「RDP(3389)」を選択
ライセンス 選択しない

上記の表の項目を入力し終えたら、ディスクの設定を行います。

ディスクの作成

ディスクの設定は「Premium SSD」「Standard SSD」「Standard HDD」の中から選択するのですが、今回は「Premium SSD」を選択します。

データディスクはデフォルト値で設定します。

ディスク作成- AzureのWindows仮想マシン

ネットワーク設定

ネットワークは基本的にデフォルトで作成していきます。[仮想ネットワークの作成] でアドレス空間を設定すると、ほかの仮想マシンからとの連携ができるようになります。しかし今回は1台構成で進めていきますので、デフォルトの値で進めます。

また、セキュリティの関係上特定のIPアドレスからのみ接続を許可していきたいので、[NIC ネットワークセキュリティグループ] で [詳細] を選択し、ネットワークセキュリティグループを新規作成します。

仮想マシンの作成- Azure

[ネットワークセキュリティグループの作成] では、受信規則と送信規則を作成していきます。ここの受信規則で [ソース] を [IP Addresses] にして特定のIPアドレスを入力します。今回は、自分のPCからのIPアドレスのみ許可していきます。

ネットワークの作成- AzureのWindows仮想マシン- AzureのWindows仮想マシン

ひとまず基本的な情報を入力したので、画面下の [Review + Create] をクリックします。作成する仮想マシンの情報を確認後、[Create] をクリックして仮想マシンを作成します。

デプロイ

[Create] をクリックした後「デプロイが進行中です」との画面が表示されます。5分ほど待つと「デプロイが完了しました」と表示されるので、[リソースに移動] をクリックします。

デプロイが完了- AzureのWindows仮想マシン

リソース画面に移動後、赤枠内の [接続] をクリックして [RDP] を選択します。そうするとRDPファイルをダウンロードする画面に遷移するので [RDPファイルのダウンロード] をクリックし、RDPファイルをダウンロードします。

RDPファイルのダウンロード- AzureのWindows仮想マシン

仮想マシンへの接続

上記でダウンロードしたRDPファイルをクリックするとリモートデスクトップが起動し、アカウントの入力画面が表示されます。「仮想マシンの作成」の項目で入力したユーザ名とパスワードを入力すると、仮想マシンに接続できます。

仮想マシンへの接続後- Azure

仮想マシンを構築した所感

実際にAzure上で仮想マシンを構築した感想ですが、かなり簡単に仮想マシンの構築ができました。設定項目のヘルプなども簡単にわかりやすく書かれており、構築自体に困ることは少ないと思います。

今回は1台構成の仮想マシンの構成でしたが、サービスを提供するサーバの場合でも難なく構築ができそうだなと感じました。また、仮想マシンの作成を作成する際にオプションでバックアップの自動化や自動シャットダウンなどの設定もあるのでかゆいところに手が届くような構築も可能です。

> Microsoft Azure 運用監視 – 代行サービス 詳細はこちら

仮想マシンに、監視ツールを入れてみる

次に、仮想マシンに弊社で提供する監視ツール「puzzle」を導入し、実際に監視しながらメール通知を飛ばしてみたいと思います。

puzzleは、お客様の環境にpuzzleエージェントをインストールするだけで監視を行うことができます。監視項目を決めるには事前に監視設定の一覧をいただく必要がありますが、監視の設定自体は弊社で行いますので導入も簡単です。

監視ツールpuzzle

今回想定する内容は、上記で構築した仮想マシン内で、定期的なバッチ処理を実行するものとします。

バッチ処理の結果はログに出力されることを想定し、「Error」の文字列がログに出力されたら、メールで通知されるよう設定します。具体的には、「C:\programlogs\batchresult.log」に下図のように「Error」という文字列が出力されたら、警報を発報します。

仮想マシンでのエラーログ- AzureのWindows仮想マシン

「C:\programlogs\batchresult.log」に「Error」が出力させると、以下のようなメールが届きました。メールにはアラートの発生時間や発生サーバ、発生項目が書かれているため障害が発生する前に対処できるようになります。

監視メール- Azure

さいごに

今回は、AzureでWindows仮想マシンを作成する方法と、監視ツールの導入についてまとめました。

監視については「バッチ処理に失敗したらメール通知をする」シナリオを考えましたが、「処理を再実行したい」や「バッチ処理の実行が失敗した場合、特定の条件で再実行をしたい」といった既存の監視システムでは対応が難しいような要望をお持ちの企業様もいらっしゃると思います。

その場合、どうぞお気軽に弊社までご相談ください!

最後に、当社では Azureの運用監視を代行するサービスもご提供しています。ご興味がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。