「Azure Virtual Desktop」と「Amazon WorkSpaces」を徹底比較!
2024.10.23
本記事ではAzure Virtual DesktopとAmazon WorkSpacesについて、それぞれの特徴と違いをご紹介します。
この記事を読むと、各種仮想デスクトップサービスの特徴を理解して、ユースケースに応じた最適な環境を選べるようになります。
はじめに
仮想デスクトップとは、データセンター等に設置されているサーバー上に仮想パソコンを稼働させ、仮想パソコンのデスクトップ環境を利用者側の各端末に転送するサービスのことをいいます。
たとえば、自宅やカフェ、新幹線の中で、パソコンやタブレット端末から仮想デスクトップにアクセスし、場所を問わず業務を行うことが可能です。
昨今ではリモートワーク等の勤務形態の変化から仮想デスクトップに注目する企業が増加しており、仮想デスクトップサービスは、それらをよりセキュアで、多様なニーズに応えられるよう設計されたサービスです。
そこで今回は、Microsoft、AWSが提供している仮想デスクトップサービスについてそれぞれご紹介いたします!
「Azure Virtual Desktop」とは
まず、Azure Virtual Desktopの概要についてお伝えします。Azure Virtual Desktopは、2019年にMicrosoft社が発表したデスクトップ仮想化(VDI)サービスです。
※2021年にWindows Virtual Desktop (WVD)という名称からAzure Virtual Desktop に変更になりましたが、同じ製品を指します。
Windows 11またはWindows 10で完全なWindowsエクスペリエンスを提供し、ユーザーに完全なデスクトップを提供するか、RemoteAppを使用して個々のアプリを配信できます。
Azure Virtual Desktopのメリット・機能
マルチセッション
Azure Virtual Desktopは、一つの仮想マシンで複数のユーザーが同時に作業できるマルチセッションをサポートしています。これにより、リソースの効率的な利用とコスト削減が可能です。
統合されたセキュリティとコンプライアンス
エンドポイントのセキュリティ状態に関係なく、安全な環境でアプリケーションやデータへのアクセスを提供します。リモートワーカーをサポートしながらもセキュリティリスクを最小限に抑えることができます。
シームレスな Microsoft 365 統合
Azure Virtual Desktopは、Microsoft 365とシームレスに統合されています。ユーザーはOfficeアプリケーションやOneDriveなどのツールに簡単にアクセスできます。
柔軟なスケーリングとカスタマイズ
Azure Virtual Desktopは、スケーリングやカスタマイズが可能であり、大規模な組織や複雑な要件に対応しています。
「Amazon WorkSpaces」とは
続いて、Amazon WorkSpacesの概要についてお伝えします。Amazon WorkSpaces はAWSが提供するクラウドベースのフルマネージドの仮想デスクトップサービスです.
ユーザーはWindowsやLinuxのデスクトップ環境をクラウド上で利用でき、どこからでも同じデスクトップにアクセスできます。注意点として、ネットワーク環境が必要不可欠です。
Amazon WorkSpacesのメリット・機能
セキュリティとコンプライアンス
Amazon WorkSpacesはセキュリティとコンプライアンスの観点から優れており、多要素認証(MFA)やアクセス制御設定、暗号化などのセキュリティ対策が豊富に搭載されています。
コスト効率
従量課金制を採用しており、初期投資を抑えて利用できます。大規模な導入やリプレイスにも適しています。
管理と運用の簡素化
クラウド上で一元管理でき、OSやソフトウェアのアップデートが一括で実施可能です。
高い可用性と信頼性
AWSのインフラを利用するため、高い可用性と信頼性を確保できます。
自動バックアップ
12時間ごとに自動でバックアップが実施され、重要なデータを守ります。
Azure Virtual DesktopとAmazon WorkSpacesの比較
それぞれを比較してみましょう。
サポートする主なOSや料金モデルなど様々な違いがあり、Azure Virtual Desktopは主に「Windowsベースのアプリケーションやデスクトップ環境を必要とする企業向け」、Amazon WorkSpacesは主に「幅広いOSサポートが必要な企業やLinux環境を必要とするユーザー向け」であると言えます。
Azure Virtual Desktop | Amazon WorkSpaces | |
---|---|---|
提供元 | Microsoft | AWS |
サポートする主なOS | Windows 10、Windows 11、Windows Server 等 | Windows 10、Windows 11、Amazon Linux 2、Windows Server、Ubuntu 、Red Hat Enterprise Linux 等 |
料金モデル | 従量課金制 | 月額料金または時間単位の料金モデル |
スケーラビリティ | Azureの他のサービスと統合しやすく、柔軟なスケーリングが可能 | AWSの他のサービスと統合しやすく、スケーリングも容易 |
管理ツール | Azure Portal、Azure Resource Manager (ARM) テンプレート、PowerShell | AWS Management Console、AWS CLI、API |
ユースケース | 主に Windows ベースのアプリケーションやデスクトップ環境を必要とする企業向け | 幅広いOSサポートが必要な企業やLinux環境を必要とするユーザー向け |
ユースケース
「Azure Virtual Desktop」と「Amazon WorkSpaces」どちらを利用するのが最適なのか、それぞれのユースケース例を紹介いたします。
パフォーマンスよりもコスト効率を重視したい
Azure Virtual Desktopの利用を推奨します。
コストに着目した場合、マルチセッション接続機能を持つAzure Virtual Desktopでは、仮想マシンを複数ユーザで共有することから比較的安価に提供が可能で、コスト削減に大きな効果が期待されます。
一時的なプロジェクトを遂行したい
Amazon WorkSpacesの利用を推奨します。
一時的なプロジェクトチームに対して、必要なリソースが迅速に提供されます。一時的なプロジェクトは、例えばイベントやセミナー、新入社員向けのトレーニング環境などが挙げられます。
地理的距離が離れていても円滑にコミュニケーションをとりたい
Azure Virtual Desktopの利用を推奨します。
チームメンバーが同じ環境で作業&共有できるため、コラボレーションがスムーズに行うことが可能です。
個人が安全に業務を行える環境を構築したい
Amazon WorkSpacesの利用を推奨します。
契約社員やリモートワーカーでも、安全に業務を行えます。ほかにも、教育機関で学生が必要な教材やアプリケーションにアクセスできる環境を提供するために利用される例などがあります。
最後に
いかがでしたでしょうか。本記事では、2つのサービスについてそれぞれの機能を比較を交えてご紹介させていただきました。
どちらを選ぶかは、組織のニーズやクラウドプロバイダーの選好によりますが、セキュリティ、管理、価格、統合性などを考慮して判断することが必要となります。 以上、皆様のご判断の一役を担えたら幸いです。
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