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AWSストレージ(EBS・S3・EFS・FSx)の比較や推奨シーン、価格をご紹介

AWSストレージ(EBS・S3・EFS・FSx)の比較や推奨シーン、価格をご紹介

2022.12.07

本記事のポイント

AWS(Amazon Web Services)には、様々な役割を果たす多種多様なサービスが存在しています。本記事では、その中でもAWSが提供するストレージサービスについて、ご紹介いたします。



ストレージサービスとは?

インターネット経由で使える、データを保管できる場所を貸し出すサービスのことです。近年では、オンプレミスからクラウドへの移行が主流になってきています。クラウド化するメリットとして以下のような特徴があげられます。

ファイルの共有が容易

ストレージサービスを利用すれば、社内だけではなく、社外の人ともデータの共有がしやすくなります。オンプレ時代は、メールなどを利用してファイルを共有していましたが、ストレージサービスでは保管場所のURLを伝えるだけで、閲覧が可能です。

アクセス場所を問わない

オンプレミスとは違い、どこからでもサーバーへのアクセスが可能な点も大きな特徴です。出先で打ち合わせなどがあり、至急資料が必要な際などはクラウドのストレージに保存していたデータを素早くダウンロードすることができるので、社外の方への共有や連携も容易になっています。

費用を抑えられる

クラウドの場合、社内ネットワークにサーバーを設置して、運用・管理を行う必要がないので、導入時や運用・管理の費用が自社でサーバーを構築する場合と比べて、格段に安くなります。

ストレージサービスの種類

AWSでは主に3種類の形式でストレージサービスを提供しています。

オブジェクトストレージ

データをオブジェクトという単位で保存するストレージです。容量制限がなく、データにアクセスする際の利便性が非常に高いです。 大容量のデータを安く保存する機能が備わっているため、コスト削減につながります。

デメリットとしては、大容量のデータを扱うがためにアクセス速度が遅くなってしまう点が上げられます。頻繁にアクセスが必要なデータを扱う際は、お勧めできません。

ファイルストレージ

データを「.docx」や「.xlsx」といったファイル単位で保存、管理するストレージです。ディレクトリ形式で階層的に整理されているため、簡潔かつ直感的に利用ができます。

一般的なWindowsやmacOSなどのコンピュータでもファイルストレージがデフォルトとして設定されています。そのため、感覚的に操作しやすく馴染みやすい操作性となっています。

ブロックストレージ

データをブロック単位で保存するストレージです。各ブロックには固有の番号が付与され、高速な読み書きが可能なストレージ方式です。

ファイルストレージのような階層構造が必要ないため、取得したいデータへのパスを何通りも指定できます。そのため、高速なアクセスが可能になっています。

AWSのストレージサービス一覧

AWSストレージ(EBS・S3・EFS・FSx)

続いては本題の、AWSが提供する4つのストレージサービスについて比較しながら紹介していきます。

Amazon EBS(ブロックストレージ)

Amazon EBS

Amazon EBS(以下、EBS)は、Amazon Elastic Block Store の略です。Elasticには伸縮自在や柔軟といった意味があります。 EC2を利用する想定で設計されており、単体では機能しないので、EC2を用意するという点でほかのストレージと比べて費用がかさむデメリットがあります。

また、実際に利用した容量が5GBだったとしても、設定していた容量が10GBであれば実際に利用していない5GB分の料金も払う必要があるので、事前に使う分を想定しておく必要があります。

Amazon S3(オブジェクトストレージ)

mazon S3

Amazon S3(以下、S3)は、Amazon Simple Storage Serviceの略です。Sが3つ並んでるからS3!わかりやすいですね。

利用者が事前に設定する必要はなく、容量が無制限なため、大容量のデータを保管するのに向いています。また、先ほど紹介したEBSとは違い、実際に利用した容量が5GBだった場合、5GB分の利用料金が課せられる完全従量課金制となっています。

Amazon EFS(ファイルストレージ)

Amazon EFS

Amazon EFS(以下、EFS)は、Amazon Elastic File Systemの略です。Windowsなどと同じ感覚で使えるので、より感覚的に利用できるのがメリットです。

伸縮自在でスケーラブルな設計のため、ファイルの追加や削除をすると、アプリケーションを中断することなくファイルシステムのストレージ容量を自動的に追加します。

Amazon FSx(ファイルストレージ)

Amazon FSx

Amazon FSx(以下、FSx)は完全マネージド型のファイルストレージサービスです。導入が簡単な上、管理の負担も軽減されることがメリットです。高パフォーマンスで、安全な共有ファイルストレージを利用可能です。

パッチ適用やバックアップなどの管理・運用の面はAWSが行いますので、利用者は、エンドユーザーやビジネスに専念できる余裕が生まれます。

AWS4つのストレージサービスを比較

ここまでの内容を踏まえて、それぞれの、利点について一覧化してみました。

EBS S3 EFS FSx
保存容量
耐久性
アクセス
可用性
スループット

推奨される利用シーン

Amazon EBS

EBSには、SSDタイプとHDDタイプの二種類が存在しており、SSDタイプはI/Oサイズが小さく、読み書きの頻度が多いシステムと合わせることにより、高いパフォーマンスを発揮します。

HDDタイプはバックアップやストリーミングなどI/Oサイズが大きく、高スループットが求められるシステムに適しています。

Amazon S3

S3とAWSのほかサービスを併用することで、スケーラブルかつ耐久性や安全性に優れたバックアップと復元を可能にします。また、バックアップをS3に取っておくことにより、自然災害やシステム障害による機能停止を速やかに復旧することができます。

Amazon EFS

また、S3は直接EC2にmountすることはできないため、S3をファイル共有に利用できないケースでは、EFSが最適かと思われます。

また、幅広いワークロードに対応するために必要なスループット、低レイテンシー、IOPSを提供できるような設計になっています。パフォーマンスモードも2種類提供されておりそれぞれユーザのユースケースに特化したサービスを提供しています。

Amazon FSx

FSxでは、下記の代表的な4つのファイルシステムから選択できます。

  • NetApp ONTAP
  • OpenZFS
  • Windows File Server
  • Lustre

  • 一般的な利用方法としてファイルサーバの代わりとして活用するケースがありますが、高スループットや低レイテンシーな特徴を生かす方法で、Windows系EC2インスタンスの共有ディスクとしてWebサーバのコンテンツ格納先などの用途でも利用可能かと思われます。

    価格

    サービス 料金
    EBS
  • 汎用 SSD (gp2) ボリューム:0.12USD/GB
  • プロビジョンド IOPS SSD (io1) ボリューム:0.142USD/GB
  • スループット最適化 HDD (st1) ボリューム:0.054USD/GB
  • Cold HDD (sc1) ボリューム:0.03USD/GB
  • S3
  • 使用した分だけ料金を払う従量制料金
  • 0〜50TB:0.025USD/GB
  • 50〜500TB:0.024USD/GB
  • 500TB以上:0.023USD/GB
  • EFS
  • 東京リージョン:0.36 USD/GB
  • バージニア北部リージョン:0.30 USD/GB
  • FSx
  • SSD ストレージ容量:0.130USD/GB
  • HDD ストレージ容量: 0.013USD/GB
  • ※今回は、Windows File Serverの料金を記載しております

    なお、各サービスの料金算出は下記サイトがおすすめです!

  • https://calculator.aws/#/(AWS公式:AWS プランニングシュミレーター)
  • まとめ

    本記事では、AWSが提供するストレージサービス3つを比較しながら紹介してきました。利用者や場面によって使用用途は様々です。

    他にもAWSでは様々なストレージサービスを提供しており、利用することで得られるメリットや役立つ場面も増えると思います。本記事をみて、気になった方はぜひ導入を考えてみてはいかがでしょうか。