AWSの請求代行とは?仕組みや比較など分かりやすく解説【2023年版】
2023.04.19
2023.04.19
AWS請求代行サービスについて仕組みやメリットを分かりやすく解説します。
メリットはたくさんありますが、導入での注意点なども解説していますので、請求代行サービスをご検討されている方に役立つ記事になっています。
AWS請求代行サービスとは?
AWS請求代行サービスとは、Amazon Web Services (AWS)の利用料を円建ての請求書払いにできたり特典が付帯されたりするサービスとなります。
毎月発生するAWS利用費用を再販することができるパートナー(AWSと公式に契約し認可された再販パートナー)を通じてAWSの契約や支払いを行います。このAWS再販パートナー(以後、パートナー)を通じて、直接AWSとの支払い契約をする以外に、費用削減や技術解決支援などさまざまなサービスを利用することが可能となります。
サービスを利用するメリット
AWS請求代行サービスとの違い
AWSとの直接契約 | AWS請求代行サービス | |
---|---|---|
支払い方法 | クレジットカード 海外送金 |
請求書払い |
支払い通貨 | ドル(標準)、日本円 | 日本円 |
利用料の割引 | なし | 手数料あり、割引付帯など |
付帯サービス | なし | 技術サポートや保険など |
請求書払いが出来ることでクレジットカードの上限金額を気にすることがなくなることに加えて、大きなメリットとしてAWSの利用料の割引を受けられることがあげられます。
更に請求代行の手数料や導入費用などが一切かからず無料になるパートナーを選択すれば、単純に割引額の分だけ費用が抑えられます。AWSの利用料はドル建てになりますので、円安が進んでいて費用が上昇している為替相場の時期において特に請求代行サービスの利用がおすすめとなります。
もう一つのメリットは、技術サポートや監視などのサービスが付帯されることがあります。
また、ご利用中のシステムやサービスにおける障害の発生やサイバー攻撃による個人情報の流出などによってエンドユーザーに対しての損害が発生した場合に、その補償を受けられるサイバーリスク保険やURI監視を無料で提供している場合もあります。
また、既存で利用するAWSと直接契約しているアカウントをそのままパートナーの保有するAWSアカウントへ移行することも可能です。
書類上の手続きだけで済みますので、アカウントを作り直したり、アカウントが一時的に使えなくなったりするサービス上のリスクなどの心配は有りません。
サービスを利用する注意点
一方、割引が受けられる、付帯サービスがつくなどの大きなメリットはありますが、いくつか注意しなければいけない点があります。
<AWS請求代行サービスの注意点>
AWSとの直接契約 | AWS請求代行サービス | |
---|---|---|
AWS無料枠 | ◯ | × |
AWS利用料の照会 | AWSコンソールで確認 | パートナーへ確認(独自のポータルサイトによる確認など) |
利用サポート窓口 | AWSが対応 | パートナーが対応 |
AWSの機能の制限 | 全て使える | 一部使えない ※ |
※下記機能が使用できない場合があります
・AWS Organizations
・IAM Identity Center(旧AWS Single Sign-On )
・一部取り扱い対象外リージョンとサービス
AWSが提供している様々なサービスには、アカウントごとに一定の無料枠がついていますが、請求代行サービスの場合では、無料枠は付帯しておりません。AWSの無料枠は、数万円程度になりますので、継続的な請求代行サービスのご契約をいただくことで、AWSから提供される割引額の方より大きくなります。また無料枠を使い切っている既存アカウントであれば注意点とはなりません。
またAWSの利用料は通常ならAWSのコンソール上で確認することができますが、請求代行サービスに切り替えると確認ができなくなります。
請求代行サービスへ利用料を照会する必要がありますが、パートナーによってはWeb上で明細を確認できる仕組みを提供している場合があります。AWSのコンソールでは最終的な請求金額のみが円で表示されますが、パートナーの提供するコンソールによっては最終的な請求金額に加え利用料、サポート費用、割引額などの明細も日本円で表示されるため、その場合、AWSコンソールよりも分かりやすく、むしろ使いやすいかもしれません。
ただし請求代行サービスによって内容が変わってきますので少し注意が必要です。
利用サポートについてはAWSパートナーが実施することになります。これもパートナーによって内容が異なりますのでパートナー選びには少し注意が必要です。
AWSの機能についても一部制限がかかる場合があります。代表的なものとしては、ルートユーザーをパートナーへ委譲することになるサービスが多い事があげられます。この場合、利用企業はIAMユーザーとしてアカウントを利用することになります。
ルートユーザーを自社で運用したい場合、自社運用可能なAWSパートナーの選定が必要です。参考までに、JIG-SAW社ではルートユーザーの自社運用が可能です。パートナーがルートユーザーを保有するか、お客様が保有するかの比較は以下の通りです。
パートナーがルートユーザーを保有 | お客様がルートユーザーを保有 | |
---|---|---|
ルートユーザーの利用 | × | 〇 |
AWSサポートへの問合せ | パートナー経由で問合せ | お客様が直接問合せ |
AWS Billing and Cost Management画面の閲覧 | × | 〇 |
※お客様がルートユーザーを保有される場合、AWS利用料の割引の適用外となります
実際の利用方法や申し込みの流れをご紹介
実際にAWS請求代行サービスの申込みと契約の流れをご紹介します。
当社(JIG-SAW)のAWS請求代行サービス「JIG-SAW Prime」を例に紹介させていただきます。
新規アカウントを作成する場合は1〜5営業日、既存アカウントの移管の場合は10営業日ほどで利用を開始する事ができます。
まとめ
今回は、AWS請求代行サービスの仕組みやメリットをご紹介しました。
AWS請求代行サービスは、どうしてもルートアカウントを自社で運用したいなど特殊な事情がない限りほとんどの方にお得にご利用いただけるサービスです。
AWSの利用料割引や技術サポート、損害保険など付帯サービスを受けながら、ぜひ有効活用していただければと思います。
手数料無料のAWS請求代行サービス「JIG-SAW Prime」についてご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。