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OpenAIとは?基礎知識からビジネスでの活かし方まで詳細解説

OpenAIとは?基礎知識からビジネスでの活かし方まで詳細解説

2024.01.26

2024.01.26

本記事のポイント

ビジネスシーンでの存在感がますます高まるOpenAIですが、いざそのサービスを使ってみようとなると、立ち止まってしまう人が少なくないようです。本記事では、活用の手前で躊躇している人のために、OpenAIとそのサービスに関する基礎知識を改めて整理しました。代表的なAIの使い方や注意点などを網羅しています。ぜひ、ご一読ください。



OpenAIとは?

OpenAI(オープンAI)とは、人工知能(AI)の研究と開発に取り組む、アメリカの団体です。イーロン・マスク、サム・アルトマン、グレッグ・ブロックマンといったテクノロジー業界の著名人によって、2015年に非営利法人として設立されました。現在では、営利企業としても活動し、世界のAI開発をけん引しています。

OpenAIの提供する代表的なAIの1つが、自然言語処理モデル「GPT(Generative Pre-trained Transformer)」です。GPT-3.5にあたるチャットボット「ChatGPT」は、一般公開されており、企業での活用も進んでいます。

OpenAIの歴史

ここでは、OpenAIの歴史における主要なトピックを整理しましょう。

2015年に非営利法人「OpenAI Inc.」として設立。当初のメンバーは、イーロン・マスク、サム・アルトマン、グレッグ・ブロックマンら。AIにより、人類に利益をもたらすことを使命として掲げています。なお、イーロン・マスクは2018年に役員を辞任しています。

2019年には営利部門の「OpenAI LP」を設立し、コースラ・ベンチャーズなどの投資企業から出資を受けました。また、初期の段階から断続的にMicrosoftの出資を受けており、同社とは長期的かつ戦略的なパートナーシップを築いています。OpenAIの開発した様々なサービスは、Microsoft Azure、Microsoft 365といったクラウドサービス上でも提供されます。

代表的なAIモデルとなったGPTシリーズは、原型となったGPT-1が2018年に公開されました。その後、GPT-2、GPT-3と順調に進化を遂げ、2022年にはChatGPT(GPT-3.5)を公開。2ヵ月後にはユーザ数1億人を達成するなど、爆発的に利用者を増やしています。2023年には、さらに精度を高めたGPT-4が公開されました。

OpenAIのサービスの特長

OpenAIのサービスを使ってできること

OpenAIの提供する代表的なAIモデルは、自然言語処理に特化したモデルです。例えば、与えられたトピックや情報から、自動的に記事を作ったり、チャットボットによりユーザとの自然な対話を行ったりすることが可能です。カスタマーサポートや情報提供の業務でも役に立ちます。言語生成AIは、翻訳のサポートにも適しています。原文を理解した上で適切な文章を生成できるので、機械翻訳の精度を飛躍的に向上させられます。

AIは、ビジネスの様々な分野で活用が期待されています。その使い方としては、(1)自社内の業務効率化のために役立てるもの、(2)AIを組み込んだサービスを提供するもの、と大きく2つの方向性に分かれます。

OpenAIの提供する各AIモデルの紹介と使い方イメージ

具体的にOpenAIがどのようなAIを提供しているのか、代表的なモデルを紹介します。

●GPT

自然言語処理に優れた言語モデルです。大量のテキストデータを学習し、その中に潜む言語のパターンやルールを理解します。さらに、それらを元に新しい文章を生成したり、言語に関する様々なタスクを実行したりします。具体的には、指示に沿った文章執筆、文章の要約、校正、雑談などの会話、ブレインストーミング、翻訳などに利用できます。

●DALL-E

GPTシリーズの1つであり、自然言語から画像を生成するAIモデルです。プロンプトとして与えられたテキストを元に、類似度の高い画像を生成します。画像とテキストの組み合わせを学習し、類似度算出、適切なテキストを選択する技術「CLIP (Contrastive Language-Image Pretraining)」と、その拡散モデル「DDPM (Denoising Diffusion Probabilistic Models)」から構成されています。

●Whisper

汎用的な音声認識モデルであり、音声ファイルを入力すると、その内容を文字に起こします。特に、会話型のタスクに焦点をあてており、質問応答、対話生成、要約、感情分析などに適用できるよう設計されました。多言語に対応しています。

●OpenAI Codex

GPT-3.5をベースにした、プログラムコードを生成するための言語モデルです。大量のコードやドキュメントを学習済みで、自然言語による指示からプログラムコードを生成します。主に開発環境に向けて提供されているもので、例えば、GitHubとの連携により、プログラミング自動補完ツール「GitHub Copilot」などの拡張機能として採用されています。

OpenAIのサービスを利用するには

最初に環境を選択:公式サイトか、Microsoft Azureか

OpenAIのサービスを使い始める前に、利用環境を選択しましょう。OpenAIのサービスは公式サイトのほかに、Microsoft Azureから、「Azure OpenAI Service」として提供されています。現在のラインナップは、OpenAI GPT-3,5、GPT-4、GPT-4 Turbo(Preview)、Codex、Embeddings、DALL-E (Preview)、Whisper (Preview)です。 ※2023年12月現在

Azure OpenAI Serviceを利用するメリットとしては、ほかのAzureサービスとの連携の容易さ、Microsoft Azureの基準を満たした高いセキュリティなどが挙げられます。企業としての利用をお考えならば、「Azure OpenAI Service」は一考すべき選択肢です。

サービスの始め方

OpenAIの公式サイトで使う場合は、サインアップまたはログインし、その後プランを選択・登録するだけです。サービスやバージョンによって、無料・有料などの違いがあります。有料プランの利用には基本的にクレジットカード情報の登録が必要です。

なお、法人ユーザ、かつMicrosoft Azure経由でご利用になる場合は、JIG-SAWの提供する請求代行サービスを利用することで、請求書払いが可能です。

ChatGPT、DALL-E 3の使い方

ここでは、OpenAIの各サービスのうち、ChatGPTとDALL-E 3について、利用方法を紹介します。いずれも非常に簡単です。

●ChatGPT

サインインしてログインしたら、質問や指示を画面下部のテキストボックスに入力するだけです。

回答が表示されます。なお、納得いく回答が得らなかった時は、「ほかの答えはないですか?」などと、別案を要求してみるとよいかもしれません。または、質問の仕方を変えてみます。

●DALL-E 3

サインインしてログインしたら、欲しい画像のイメージを画面上部のテキストボックスに入力すれば、内容に則したイメージが表示されます。

ちなみにこの画像が表現しているのは「仮想現実空間でのデジタルミーティング」。ChatGPTに、「IT雑誌におけるDALL-Eの紹介記事に、サンプル画像として掲載する適切な内容を提案してください」と質問し、得られた回答です。なお、プロンプト(指示)もChatGPTに考えさせました。ChatGPTからの回答は、「仮想現実空間でのデジタルミーティングを描いた画像を生成してください。参加者は異なる場所にいるが、仮想現実ヘッドセットを装着し、会議室のような環境でリアルな会話やディスカッションを行っています。壁にはデジタルスクリーンがあり、参加者はプレゼンテーションやグラフィックを共有しています。空間全体が先進的で、参加者同士のコミュニケーションが活発に行われている様子を表現してください。」というものでした。改良の余地はありますが、瞬時にこのレベルの画像が生成されます。

AIを利用する際に気をつけるべき点

AIは多くの利点をもたらしますが、一方で注意も必要です。次にそのリスクをまとめます。

●情報漏えいのリスク

会話の内容をAIが学習に利用してしまうと、情報漏えいにつながりかねません。設定で学習への利用を拒否できますが、個人情報や機密情報は入力しないほうが無難でしょう。

●誤った情報である可能性

AIは、未確認の情報や誤った情報を提供することがあります。鵜呑みにせずに、必ず事実確認を行いましょう。

●著作権侵害のおそれ

参照元の情報と酷似した内容が表示されることがあります。他者の権利を侵害している可能性があることは、常に留意しておきましょう。

●情報の鮮度不足

過去のある時点までの情報しか学んでおらず、リアルタイムの情報に触れていないAIモデルも存在します。直近の情報を必要としている場合には、このようなAIの情報は、あくまで参考程度の利用にとどめましょう。

最後に:企業ユーザがOpenAIを使うにあたって

AIのビジネス活用といっても、AIサービス単体では利用できません。サービスを構成する他のシステムリソースとの連携や、サービスの適切な設計や設定、サービスを開始した後の安定稼働に向けた運用など、さまざまな観点での検討が必要不可欠です。OpenAIの活用に関しても、不安をお持ちなら、外部パートナーの手を借りることもご検討ください。効率的かつ安心の運用が実現します。




以下校正資料
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2301/17/news094.html
https://openai.com/about
https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst/2023/cc/0526_1
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/ai-services/openai/faq

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