AWSとは?初心者向けの分かりやすい解説と6つの代表的なサービスをご紹介
2023.04.19
2023.04.19
AWSについて初心者向けに分かりやすく解説しています。
クラウドサービスやAWSの利用を検討されている方がAWSの概要を5分程度で理解できる内容になっています。
AWSとは?
AWSとは「Amazon Web Services」の略語で、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスです。ECサイトで有名なAmazonですが、実はAWSはAmazonの利益の約50%を占める大きな事業です。元々はAmazonが自社インフラとして開発したものを、外部にサービス提供した事から始まっています。
単純にクラウドサーバーを提供するだけでなく、サーバーやアプリケーションの開発、管理に役立つ約200以上のサービスを提供しています。競合としてGoogleが提供するGoogle Cloud(GCP)やMicrosoftのMicrosoft Azureなどがありますが、最も歴史の古いAWSがシェアのトップを獲得しています。(Gartner June 2022)
クラウドコンピューティングとは?
従来は物理サーバーを自社やデータセンターに設置して運用していました。この形態はオンプレミスと呼ばれています。オンプレミスではサーバーの購入費用、ハードウェアのメンテナンス、設置場所の確保、物理的な監視など、様々なコストがかかります。
クラウドコンピューティングではこういった費用や準備は必要なく、新規にサーバーを使いたい場合、わずか数十分で仮想サーバーを立ち上げることができます。こういったIaaSと呼ばれるサービスの他にも、クラウドコンピューティングには様々な種類があります。
SaaS (Software as a Service) |
インターネットを介してアプリケーションを提供するサービス形態 |
PaaS (Platform as a Service) |
アプリケーションの開発環境を提供するサービス形態 |
IaaS (Infrastructure as a Service) |
サーバーやストレージなど、インフラを提供するサービス形態 |
SaaSはGmailやGoogleDrive、MicrosoftのOffice 365などのサービスが代表的です。PaaSやIaaSについてはAWSが様々なサービスを提供していますので、「AWSでできることを分かりやすく解説」の章でその一例を紹介します。
AWSのメリット・デメリット
初期費用が不要
AWSでは契約や利用に関する初期費用は一切かかりません。例えばクラウドサーバーの利用であれば利用時間に応じた従量課金、ストレージであれば使用量に応じた従量課金になっています。サーバーのスペックに応じて時間あたりの利用料金が異なっており、全てAWSのWebページに公開されています。ボリュームディスカウントなども明確に提示されており、透明性の高い料金設定になっています。
継続的に値下げされる
オンプレミスではサーバー購入時点で大きな費用がかかり、運用年数が長くなると最新の高性能なサーバーと比べてスペックが見劣りしてしまいます。コンピューターのスペックや価格は日々進歩していますが、オンプレミスですとこの恩恵を受けることができません。しかしAWSではこういった変化を自社の価格に反映して、継続的に値下げを行っています。2023年時点で100回以上の値下げをしており、年間の値下げ率は約20%にもなります。
サイジングからの開放
オンプレミスの場合、用途やアプリケーションなどに応じて必要十分なスペックのものを用意する必要があります。しかし最大のアクセスや負荷を想定してスペックを決定すると、アクセスの少ない状況ではリソースに無駄が生じてしまい、結果的に高額なコストを支払うことになります。AWSでは必要に応じてサーバーのスペックを上下させることができますので、負荷が集中するときは高スペックなサーバーを利用し、負荷が少ないときは低スペックのサーバーを利用するなど、最適化して運用が可能です。
高速にインフラの構築ができる
オンプレミスでは様々な角度から運用計画をたて、そのプランニングに基づいてサーバーの選定、購入を行う必要がありました。昨今では半導体不足の影響もあり、サーバーの納品まで数ヶ月かかるケースも多く大変な時間がかかります。購入後もデータセンターでの設置作業、OSやミドルウェア、ネットワークの設定などたくさんの労力と時間がかかります。AWSではWeb上からワンクリックでサーバーを契約することができ、数分後には実際に利用できるようになっています。
ハードウェアに関する知識が不要
オンプレミスではサーバーのハードウェアに精通した技術者や外部ベンダーが必要でしたが、AWSではこれらを意識する必要がありません。AWSが裏側で全てのインフラを構築しておりそれらを管理しています。ハードウェアに関する人材が不要になり、これらの保守・運用工数も大幅に削減できることから、アプリケーションの構築に時間を費やすことができます。
最先端の技術を利用できる
AWSではクラウドサーバーの提供の他に、200を超えるサービスを提供しています。AIや機械学習、ブロックチェーンといった最先端の技術もサービス化されており、専用のサーバーやアプリケーションを用意しなくても、AWSのプラットフォーム上で簡単にこれらを利用することができます。
豊富な日本語サポート
AWSでは日本語でサポートを受け付けています。有償にはなりますが、開発者向けに技術的な問い合わせにも対応しています。ベンダーを通さず、自社でサーバーを構築する場合にはとても便利です。またビジネス向けにシステム障害が発生した場合に1時間程度で対応してくれるようなサポートプランなどもあり、システム運用目線でのサポートを受けることもできます。
AWSでできることを分かりやすく解説
AWSでできること | 代表的なサービス名 |
---|---|
仮想サーバーの構築 | Amazon EC2 |
データの保管 | Amazon S3 |
データベースの利用 | Amazon RDS |
セキュリティ診断 | Amazon Inspector |
AI開発 | Amazon SageMaker |
データ分析 | Amazon Athena |
ワークフロー管理 | Amazon Simple Workflow |
モニタリング | Amazon CloudWatch |
上記以外にもAWSでは200以上のサービスが提供されており、様々な事が実現可能です。
AWSの代表的な6つのサービス
Amazon EC2(仮想サーバー)
Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)はAWSで最も利用されているサービスで、EC2では仮想サーバーを何時でも自由に、必要な台数だけ利用することができます。
EC2は初期費用が一切不要で、時間あたりの従量課金制になっています。サーバーが稼働している時間だけ費用が発生するため無駄がありません。またサーバーのスペックを自由に変更することもでき、アクセスや負荷が集中することが予測される期間だけ高いスペックに変更すれば費用を節約することもできます。
Amazon RDS(データベース)
Amazon RDS(Relational Database Service)はAWSが提供するデータベースのサービスです。
一般的にデータベースを利用する場合、ミドルウェアとしてDBMS(MySQLやPostgreSQL)をインストールしたサーバーを用意する必要があります。RDSではDBMSがすぐに利用できるサーバーを提供しており、ミドルウェアのインストールやセットアップ、管理が不要です。
EC2と同様、サーバーのスペックを自由に選択できますので、要求されるスペックに応じてリーズナブルに利用することができます。
Amazon S3(ストレージ)
Amazon S3(Simple Storage Service)はAWSが提供するストレージサービスです。
高いセキュリティと耐久性を備えており、安全にファイルを保管することができます。EC2などAWSの各サービスからS3に高速にアクセスすることも可能です。
またファイルのバージョン管理機能なども備えており、万が一の場合はデータのロールバックが可能です。保管しているファイル容量とデータの転送量などに応じた従量課金制となっています。
Amazon CloudWatch(運用監視)
Amazon CloudWatchはAWS上のサーバーやアプリケーションを監視することができるサービスです。
各サービスの稼働状況をモニタリングしたり、ログの記録やアラートを通知したりすることなどができます。機能を組み合わせることで、サーバーの運用作業などを自動化することもできます。例えば、サーバーに一定の負荷がかかった場合は自動的に台数を増やす、などといった事が可能です。
Amazon Inspector(セキュリティ診断)
Amazon InspectorはEC2で構築した仮想サーバーのセキュリティ診断ができるサービスです。
主にネットワークに関連する脆弱性や、サーバーそのものの脆弱性を診断することができます。診断結果として検出された脆弱性の一覧が表示され、脆弱性の重大度や改善方法などを含めて、細かくレポートしてくれます。
AWS Lambda(サーバーレスコンピューティング)
AWS Lambdaはサーバーを用意せずともアプリケーションを実行できるサービスです。
従来の方法ではEC2上にアプリケーションを設置して実行する必要がありました。EC2ではオンプレミスと比べてハードウェアの管理からは開放されましたが、依然としてOSやミドルウェアなどの管理が必要です。Lambdaではアプリケーションのプログラムコードを設置するだけで稼働でき、サーバーを一切気にする必要がありません。
アプリケーションの種類に応じて向き不向きはありますが、適切なものであればスピーディーにアプリケーションを開発することができます。
AWSと他社サービスの比較
AWSの次に利用されているのはGoogle CloudとMicrosoft Azureになります。AWSと他社の違いについて解説していきます。
サービス数が豊富
クラウドサーバーやデータベースなど、基本的なサービスについてはAWS、Google Cloud、Azureでは提供内容に大きな違いがありません。しかしAWSでは最先端の技術を取り入れたサービス提供に力を入れているため、Google Cloud・Azureのサービス数が100程度に対して、AWSでは2倍の200以上のサービスを提供しています。
Web上でのノウハウが豊富
上記のように、便利なサービスをスピード感を持って提供しているため、インターネット上には様々なノウハウが公開されています。AWSは3社の中では最も古くから提供されているサービスのため、利用ユーザー事例やコミュニティを通じた熱狂的なユーザー数も多く、また知識と経験が豊富なエンジニアが様々な技術関連の情報を発信しています。
費用は他社同等
利用サービスにもよりますが、AWSよりもGoogle Cloudの方がやや安価に利用することができます。Google Cloudは後続のクラウドサービスで、AWSと差別化をはかるためこのような料金設定になっていると推測されます。機能やセキュリティ、安定性の面では実測値での計測が難しいため、差別化が難しいように思われますが、AWSの方がサービスと公開情報が豊富で経験豊富な開発や構築できるパートナーも多いことから、料金以外の選定ポイントで、AWSが選択される事が多くなっています。
どうすればAWSを利用できる?
AWSの開始方法はとても簡単でこちらからアカウントを登録するだけです。
ただ実際に利用してみると分からない事が多く出てくると思いますので、そんなときはJIG-SAWにご相談ください。
JIG-SAW Prime 「AWS請求代行サービス」 クラウド(AWS, Google Cloud,Azure)の請求代行サービスです。AWSの請求代行から技術解決まで包括で支援いたします。AWSの活用にお困りの点があれば、ぜひご相談ください。 |
JIG-SAW OPS 「AWS監視・運用代行サービス」 クラウド(AWS, Google Cloud,Azureなど)の監視・運用などを代行するサービスです。オンプレミスの監視・運用も対応している他、AWS導入時のコンサルティング、設計・構築もサポートいたします。サーバー運用でお困りの点があれば、ぜひご相談ください。 |