Microsoft Azureとは?初心者向けの分かりやすい解説とメリット、8つの「できること」をご紹介
2023.06.19
2023.06.19
Microsoft Azureについて初心者向けに分かりやすく解説しています。
クラウドサービスの利用を検討されている方がMicrosoft Azureの概要を5分程度で理解できる内容になっています。
Microsoft Azureとは?
Microsoftが提供するクラウドコンピューティングプラットフォームである「Microsoft Azure(以下、Azure)」は、ビジネス向けのITインフラストラクチャーサービスを提供しています。Azureを使うことで、企業は自社で保有するサーバーやハードウェアをクラウド上のサービスに置き換え、コストの削減やスケーラビリティの向上を実現します。本記事では、Azureの基本的な概念やメリット、そしてAzureを使うことで実現できることについて説明します。
クラウドコンピューティングとは?
従来は物理サーバーを自社やデータセンターに設置して運用していました。この形態はオンプレミスと呼ばれています。オンプレミスではサーバーの購入費用、ハードウェアのメンテナンス、設置場所の確保、物理的な監視など、様々なコストがかかります。
クラウドコンピューティングではこういった費用や準備は必要なく、新たにサーバーを使いたい場合、わずか数十分で仮想サーバーを立ち上げることができます。こういったIaaSと呼ばれるサービスの他にも、クラウドコンピューティングには様々な種類があります。
種類 | 解説 | Microsoftのサービス例 |
---|---|---|
SaaS (Software as a Service) |
インターネットを介してアプリケーションを提供するサービス形態 | Outlook、OneDrive 、Office365 |
PaaS (Platform as a Service) |
アプリケーションの開発環境を提供するサービス形態 | Azure App Service, Azure Functions, Azure DevOps |
IaaS (Infrastructure as a Service) |
サーバーやストレージなど、インフラを提供するサービス形態 | Azure Virtual Machines |
SaaSはMicrosoftのOutlookやOneDrive 、Office365などのサービスが代表的です。PaaSやIaaSについては、AzureのVirtual MachinesやFile Storageなどが代表的です。これらのサービスの詳細は本記事の後半で詳しく説明いたします。
Microsoft Azureを使う4つのメリット
コストを削減できる
Azureを利用することで、サーバーやストレージ、ネットワークなどのインフラストラクチャーを自社で保有する必要がなくなります。また、従量課金制度を採用しているため、必要なリソースのみ使用することができ、無駄なコストを削減できます。さらに、自社で行っていたシステムの保守や更新作業をAzureに任せることで、人件費の削減にもつながります。Azureでは契約や利用に関する初期費用は一切かかりません。
例えばクラウドサーバーの利用であれば利用時間に応じた従量課金、ストレージであれば使用量に応じた従量課金になっています。サーバーのスペックに応じて時間あたりの利用料金が異なっており、全てAzureのWebページに公開されています。ボリュームディスカウントなども明確に提示されており、透明性の高い料金設定になっています。
また、オンプレミスではサーバー購入時点で大きな費用がかかり、運用年数が長くなると最新の高性能なサーバーと比べてスペックが見劣りしてしまいます。コンピューターのスペックや価格は日々進歩していますが、オンプレミスですとこの恩恵を受けることができません。しかしAzureではこういった変化を自社の価格に反映して、継続的に値下げを行っています。
柔軟に拡張できる
Azureは、必要に応じてリソースを自動的に増減させることができるため、急激なトラフィックの増加に対してもスムーズに対応できます。オンプレミスの場合は、用途やアプリケーションなどに応じて必要十分なスペックのものを用意する必要があります。しかし最大のアクセスや負荷を想定してスペックを決定すると、アクセスの少ない状況ではリソースに無駄が生じてしまい、結果的に高額なコストを支払うことになります。
Azureでは必要に応じてサーバーのスペックを上下させることができますので、負荷が集中するときは高スペックなサーバーを利用し、負荷が少ないときは低スペックのサーバーを利用するなど、最適化して運用が可能です。
セキュリティを強化できる
Azureは、マイクロソフト社のセキュリティ対策が施されたクラウド環境を提供しており、企業の情報セキュリティを高めることができます。また、Azureは、データ暗号化やアクセス制御、監査ログの収集など、多層的なセキュリティ機能を備えています。これらのセキュリティ機能により重要な情報を守ることができます。
最先端の技術を手軽に利用できる
Azureは、様々な機能を提供しており、ビジネスや開発者にとって非常に有用です。例えば、人工知能や機械学習を活用したAI開発や、データ分析のための分析ツールの提供などがあります。また、仮想マシンの構築や、ワークフロー管理などの機能も提供されており、専用のサーバーやアプリケーションを用意しなくてもAzureのプラットフォーム上で簡単にこれらを利用することができます。
Microsoft Azureを使うと実現できる8つのこと
概要 | 代表的なサービス |
---|---|
仮想サーバーの構築 | Azure Virtual Machines |
データの保管 | Azure File Storage |
データベースの利用 | Azure SQL Database |
セキュリティ診断 | Azure Security Center |
AI開発 | Azure Machine Learning |
データ分析 | Azure Synapse Analytics |
ワークフロー管理 | Azure Logic Apps |
モニタリング | Azure Monitor |
仮想サーバーの構築
Azureでは仮想マシンを構築することができます。これによりスケーラビリティの高い仮想サーバーを簡単に作成することができます。Azure上での仮想マシンの構築には、Azure Virtual Machinesが利用されます。また、Virtual Machinesを運用する上で重要な機能である、自動拡張や自動修復、バックアップなどもAzure上で簡単に設定できます。初期費用は一切不要で、時間あたりの従量課金制になっています。サーバーが稼働している時間だけ費用が発生するため、無駄がありません。またサーバーのスペックを自由に変更することもでき、アクセスや負荷が集中することが予測される期間だけ高いスペックに変更すれば費用を節約することもできます。
データの保管
Azureにはストレージサービスが用意されており、大量のデータをクラウド上に安全かつ信頼性の高い状態で保管することができます。ストレージサービスにはAzure File Storageなどがあり、用途に応じた適切なストレージを選択することができます。ファイルのバージョン管理機能なども備えており、万が一の場合はデータのロールバックが可能です。保管しているファイル容量とデータの転送量などに応じた従量課金制となっています。
データベースの利用
Azureではデータベース管理システムであるAzure SQL Databaseや、非構造化データの処理を可能にするAzure Cosmos DBなどを提供しています。Azure SQL Databaseは、SQL Serverと同じ機能を持ち、Azure上でリレーショナルデータベースを簡単に構築できます。一般的にデータベースを利用する場合、ミドルウェアとしてDBMS(MySQLやPostgreSQL)をインストールしたサーバーを用意する必要があります。RDSではDBMSがすぐに利用できるサーバーを提供しており、ミドルウェアのインストールやセットアップ、管理が不要です。
セキュリティ診断
Azure Security CenterではAzure上の仮想マシン、コンテナ、ネットワーク、アプリケーションなどのセキュリティ状況を監視し、脅威から保護する事ができます。Azure Security Centerを使用すると、脅威の検出、脆弱性の診断、ポリシーの遵守などを簡単に実現することができます。
AI開発
Azure Machine Learningは、クラウド上で機械学習モデルを構築、トレーニング、デプロイするためのプラットフォームです。Azure Machine Learningを使用すると、PythonやRなどの主要な開発言語を使用して、自動機械学習、ハイパーパラメータチューニング、データ前処理、モデル解釈などを簡単に実現することができます。
データ分析
Azure Synapse Analyticsは大量の構造化および非構造化データを扱うための統合分析サービスです。Azure Synapse Analyticsを使用すると、データの抽出、変換、ロード(ETL)や、データレイクの構築、SQL on-demand、Apache Sparkベースの分析、Power BIとの統合などを簡単に実現することができます。
ワークフロー管理
Azure Logic Appsは企業内およびクラウド内のアプリケーションやサービスを接続し、ワークフローを自動化するためのサービスです。Azure Logic Appsを使用すると、APIの統合、データフローの自動化、ビジネスプロセスの作成などを簡単に実現することができます。
モニタリング
Azure MonitorはAzureのサービスやアプリケーションを監視するためのサービスです。Azure Monitorはメトリック、ログを収集し、これらのデータを使用してシステムのパフォーマンス、可用性、セキュリティの問題を監視します。
どうすればMicrosoft Azureを利用できる?
Azureはこちらから始める事ができます。マイクロソフトのアカウントが必要ですので、事前に作成してからご登録ください。無料枠のクレジットが付与されますので、少し試してみるだけでしたら無料枠で十分実施できます。
ただ実際に利用してみると分からない事が多く出てくると思いますので、そんなときはJIG-SAW OPSにご相談ください。
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