【Google Cloud Next Tokyo ’24】最新の Google Compute Engine(GCE)とTitaniumでハイパフォーマンスとコスト最適化を実現(講演レポート)
2024.08.28
2024年8月1日~2日の2日間、パシフィコ横浜ノースにてビジネスリーダー、イノベーター、エンジニアのためのクラウドカンファレンス「Google Cloud Next Tokyo ’24」が開催されました。本ブログでは、Google Cloud Next Tokyo ’24に実際に参加したエンジニアから、イベントの様子や講演の現地レポートをいち早くお届けします。
今回は、8/1(木) 13:00 - 13:30に開催されたセッション「最新の Google Compute Engine(GCE)と Titanium でハイパフォーマンスとコスト最適化を実現」をリポートします。
Google Cloud Next Tokyo ’24とは?
Google Cloud Next Tokyo ’24とは、ビジネス リーダー、イノベーター、エンジニアのためのクラウド カンファレンスです。基調講演やスペシャルセッションを含む160を超えるセッション、Google Cloudの最新製品やソリューションをエキスパートと交流しながら体験できるエリアなどが用意されています。
生成AIをはじめ、ビジネスに欠かせないテーマでのセッションなどさまざまなプログラムが2日間にわたって催されました。
セッション概要:最新の Google Compute Engine(GCE)と Titanium でハイパフォーマンスとコスト最適化を実現
今回は、8/1(木) 13:00 – 13:30に開催されたセッション「最新の Google Compute Engine(GCE)と Titanium でハイ パフォーマンスとコスト最適化を実現」をリポートします。
公式サイト上のセッション紹介は以下の通りです。
“Google Compute Engine の最新ラインナップとイノベーションについて、開発チームが解説します。お客様のワークロードに最適な仮想マシンとストレージの選択方法、自動化、運用のベストプラクティスを共有し、柔軟性、スケーラビリティ、コスト最適化を実現する方法を紹介します。”
登壇者
企業 | 名前(敬称略) |
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Google Cloud | サリル スーリ |
Google Cloud | ディワーカル グプタ |
セッション詳細
このセッションでは、Google Cloudの最新技術であるGoogle Compute Engine(GCE)とTitaniumを活用し、ハイパフォーマンスとコスト最適化を実現する方法について詳しく解説されました。
Google Compute Engine(GCE)とは?
Google Compute Engine(GCE)とは、Google Cloudが提供する仮想マシンサービスです。これにより、ユーザーはGoogleのインフラストラクチャ上で仮想マシンを作成、管理、実行することができます。
主な特徴
スケーラビリティ | 必要に応じて仮想マシンの数を簡単に増減できます |
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高性能 | 最新のハードウェアとGoogleのネットワークインフラを活用して、高速で信頼性の高いパフォーマンスを提供します |
コスト効率 | 使用した分だけ支払う従量課金制で、コストを最適化できます |
セキュリティ | Googleのセキュリティ技術により、データとアプリケーションを保護します |
主な利用ケース
Titaniumとは?
Titaniumは、Google Cloudの最新技術で、インフラストラクチャのパフォーマンス、ライフサイクル管理、信頼性、セキュリティを向上させるために設計されたカスタムシリコンとセキュリティマイクロコントローラーのシステムです。
主要なコンポーネント
Titanセキュリティマイクロコントローラー | Google Cloudのインフラストラクチャにハードウェアの信頼の根拠を提供します |
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Titaniumアダプター | 仮想化サービスのハードウェアアクセラレーションを提供し、ホストCPUから処理をオフロードします |
Titaniumオフロードプロセッサ(TOPs) | ネットワークおよびI/O処理をホストCPUからシリコンデバイスにオフロードするためのスケーラブルで柔軟な方法です |
主な利点
インフラストラクチャのパフォーマンス向上 | ホストハードウェアから処理をオフロードすることで、ワークロードに対してより多くのコンピュートおよびメモリリソースを提供します |
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セキュリティの強化 | セキュリティ処理をホストハードウェアからオフロードし、信頼できる状態からシステムを起動します |
ライフサイクル管理のシームレス化 | モジュラーソフトウェアとハードウェアにより、ワークロードの継続性とセキュリティを維持しながらインフラストラクチャの更新を容易にします |
Google Compute Engine(GCE)の新機能
Google Compute Engine(GCE)の新機能についての紹介がありました。特に、最新のインスタンスタイプや自動スケーリング機能が強調され、これによりリソースの効率的な管理が可能になることが説明されました。
最新のインスタンスタイプ
最新のインスタンスタイプとして、C4とN4インスタンスが紹介されました。これらの新しい一般用途向けVMは、第5世代のIntel Xeonプロセッサを搭載し、Titaniumによって強化されています。
C4は高性能とコスト効率を両立し、N4はコスト最適化に優れています。
C4の特徴
N4の特徴
C4とN4は、併用するとさらに効果的になります。
自動スケーリング機能
Dynamic Resource Management | 新しい動的リソース管理機能により、ワークロードの需要に応じてリソースを自動的に調整し、コスト効率を最大化します |
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Zonal Flexibility | VMを自動的にゾーン間で分散させることで、レジリエンスとパフォーマンスを向上させます |
VM Family Flexibility | 事前定義されたファミリーの中から利用可能なVMを見つけることで、VMの調達を容易にします |
その他の新機能
C3ベアメタルマシン | 特殊なワークロードに対応するためのネイティブベアメタルインスタンス |
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X4メモリ最適化インスタンス | 最大1920 vCPUと32TBのDDR5メモリを提供し、SAPなどのビジネスクリティカルなワークロードに最適 |
Z3ストレージ最適化VM | SSDを必要とするストレージ密集型ワークロードに対して、一貫したパフォーマンスと予測可能なメンテナンスを提供 |
Google Axionの紹介
また、Google Cloud Next 2024で発表されたCPU「Google Axion」についても紹介がありました。提供は2024年後半を予定しているとのことです。
特長として、以下が紹介されました。
Titaniumの活用方法
Titaniumの導入により、どのようにクラウドインフラのパフォーマンスを向上させるかについて具体的な事例が紹介されました。特に、データ処理の高速化やコスト削減の効果が強調されました。
技術要件
Titaniumは、Google Cloudのインフラストラクチャを最適化し、パフォーマンスを向上させるために設計されたカスタムシリコンとセキュリティマイクロコントローラーのシステムです。
以下、Titaniumがどのようにクラウドインフラのパフォーマンスを向上させるかを説明します。
データ処理の高速化
Titaniumは、データ処理の高速化に大きく貢献します。例えば、Titaniumを搭載したHyperdiskは、従来のストレージシステムと比較して25%高速なIOPS(Input/Output Operations Per Second)を実現します。
これにより、大規模なデータセットの処理が迅速に行われ、データ分析や機械学習のトレーニング時間が短縮されます。
コスト削減
Titaniumは、リソースの効率的な利用を可能にし、コスト削減にも寄与します。例えば、Titaniumの自動スケーリング機能により、ワークロードの需要に応じてリソースを動的に調整することができます。
これにより、過剰なリソースの割り当てを防ぎ、コストを最適化します。
ネットワークの最適化
Titaniumは、ネットワークのパフォーマンスも向上させます。例えば、Titaniumを搭載したインフラストラクチャは、低レイテンシのネットワーク接続を提供し、リアルタイムアプリケーションのパフォーマンスを向上させます。
これにより、ユーザーエクスペリエンスが向上し、ビジネスの競争力が強化されます。
ベストプラクティス
セッションでは、Google Compute Engine(GCE)とTitaniumを活用したベストプラクティスが紹介されました。これにより、参加者は実際の運用に直結する知識を得ることができました。
リソースの効率的な管理
自動スケーリング | ワークロードの需要に応じてリソースを動的に調整し、コスト効率を最大化します。これにより、過剰なリソースの割り当てを防ぎ、必要なときに必要なリソースを確保できます。 |
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Zonal Flexibility | VMを自動的にゾーン間で分散させることで、レジリエンスとパフォーマンスを向上させます。 |
セキュリティの強化
サービスアカウントの適切な使用 | 各VMインスタンスに対して適切なサービスアカウントを割り当て、最小限の権限で運用することが推奨されます。これにより、セキュリティリスクを最小化できます。 |
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IAMロールの活用 | IAMロールを使用して、リソースへのアクセス権限を細かく制御します。これにより、必要な権限のみを付与し、セキュリティを強化します。 |
パフォーマンスの最適化
最新のインスタンスタイプの利用 | C4やN4インスタンスなどの最新のインスタンスタイプを利用することで、高性能とコスト効率を両立できます。 |
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Hyperdiskの活用 | Titaniumを搭載したHyperdiskを使用することで、従来のストレージシステムと比較して25%高速なIOPSを実現し、データ処理の高速化が可能です。 |
コストの最適化
事前定義されたVMファミリーの利用 | 事前定義されたファミリーの中から利用可能なVMを見つけることで、VMの調達を容易にし、コストを最適化します。 |
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リソースの動的調整 | 動的リソース管理機能を活用して、ワークロードの需要に応じてリソースを自動的に調整し、コスト効率を最大化します。これらのベストプラクティスを活用することで、Google Compute Engine(GCE)とTitaniumを効果的に運用し、パフォーマンスとコスト効率を最大化することができます。 |
まとめ
このセッションでは、Google Compute Engine(GCE)とTitaniumの最新技術を活用して、どのようにハイパフォーマンスとコスト最適化を実現するかについて詳しく学ぶことができました。
特に、Google Compute Engine(GCE)の新機能やTitaniumの活用方法についての具体的な事例紹介が非常に参考になりました。セッション中に紹介されたベストプラクティスは、実際のクラウドインフラの運用に直結する内容であり、即座に実践に移せる点が魅力的でした。
参考までに、筆者もセッションを受講したことで以下のような具体的なアクションプランを立てることができました。
クラウドリソースの最適化 | Google Compute Engine(GCE)の新機能を活用して、現在のクラウドリソースの使用状況を見直し、コスト削減とパフォーマンス向上を図る。 |
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Titaniumの導入 | Titaniumを活用した新しいアーキテクチャの設計を検討し、より効率的なクラウドインフラを構築する。 |
ベストプラクティスの実践 | セッションで学んだベストプラクティスをチーム全体で共有し、日常の運用に取り入れることで、全体的な運用効率を向上させる。 |
このセッションを通じて得た知識と洞察は、今後のクラウドインフラの運用に大いに役立つと確信しています。
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