VDIとDaaSのちがい
2018.12.11
はじめに
最近、お客様からVDIとDaaSについてご質問をいただく機会が何度かありました。
そこで、改めて記事として内容をまとめてみようと思います。
VDIとは
VDI(Virtual Desktop Infrastructure)とは、仮想化基盤上で稼働する仮想マシンに、クライアントPC(シンクライアント端末も含む)が接続するためのリモートアクセス機能を提供するサービスです。
デスクトップ環境をサーバー側で実行しますので、クライアントPC側はサーバー側で実行されたデスクトップの画面表示をしているだけとなります。
VDIは、データ流出等のセキュリティ面や、政府が推進する働き方改革のひとつである「テレワーク」による需要などによって、広く浸透しつつあります。
VDIを導入するメリットは以下が考えられます。
●すべて仮想マシン上での操作になるので、各ユーザーが使用するクライアントPCにデータが残らない
●セキュリティ対策の容易さ
●VPNなどを使用すれば、いつでもどこからでもVDIにアクセスし作業することが可能
●アカウントやライセンスなどの管理が容易
●BCP(事業継続計画)・DR(Disaster Recovery)対策への対応
東日本大震災を首都圏で体験した著者としては、公共交通網のマヒ(計画停電も)によって出社出来ず業務への影響が出た経験から、いつ、どこからでもセキュアな状態で社内システムにアクセスができ、業務が継続できる環境というのは、心情的にもゆとりを持つことができる非常によいシステムだと思っています。
具体的なソリューションの例としては以下があります。
●Microsoft社
●Citrix社
DaaSとは
DaaS(Desktop as a Service)は、クラウドサービスの一種で、上記で説明したVDI環境をクラウド上に展開しサービス化したものになります。
VDIは自社で仮想環境のインフラを保有するため、スモールスタートするにしてもそれなりの初期投資が必要になりますが、ベンダーの提供するDaaSは1台単位でのコスト換算が容易になります。
具体的なソリューションの例としては以下があります。
●VMware社
●Citrix社
●Amazon社
VDIとDaaSのちがいとは
上記でも少し触れましたが、VDIとDaaSの違いについて記述していきます。
まず、コスト面です。
VDIは、自社内もしくはデータセンターにVDIを展開するインフラを設置、保有する必要があります。
そのため、初期投資にはそれなりのコストが必要になります。また、大幅な台数の増減があった場合に、インフラのスケールアウト、ライセンス購入等調達や構築に時間を要します。
DaaSでは数台からの運用が出来、台数の増減がフレキシブルに対応できる利点があります。
続いて運用面です。
VDIではハードウェアを自社で持つことから、メンテナンスも自身で実施する必要があります。
しかしながら、デスクトップ環境の細かいカスタマイズは柔軟に対応することができます。
DaaSでは各ベンダーのサービス仕様により柔軟なカスタマイズを行うことは難しいですが、サーバーの障害やトラブルを各ベンダーに任せることができる分、運用負荷は軽減出来ます。
最後にセキュリティ面です。
VDIは自社でネットワークやインフラ、仮想デスクトップのセキュリティに対応しなければなりません。
DaaSであれば、FWやウイルス対策を標準で備えているベンダーがほとんどなので意識することはありません。しかしながら、社内のデータをクラウド上に配置する、という点を嫌う(会社のポリシーとして認めていない)ことがあるので注意が必要です。
最後に
VDIとDaaSについて、コスト、運用、セキュリティ面での比較をしてきましたが、VDIもDaaSも一長一短ありますので一概にどちらがいいとは言い切れません。
目的を明確にすることで、よりビジネスが円滑に進められるベターな選択が出来るかと思います。