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AWS re:Invent2022 セッションレポート

【AWS re:Invent2022】AWS IoT TwinMakerを使って3D風力タービンのデータを可視化してみた!

2022.12.07

本記事のポイント

AWSが主催するクラウドコンピューティング最大のイベント「AWS re:Invent」が、2022年11月28日~12月2日にかけてアメリカのラスベガスにて開催されます。本ブログでは、AWS re:Inventに実際に参加したエンジニアから、イベントの様子やKeynote(基調講演)の現地レポートをいち早くお届けします。

今回は、12/1(木)11:00~13:00(現地時間)に実施されたRichard McGill、Sam Biddleによるワークショップの内容をお伝えします。



AWS re:Invent とは?

re:Inventとは、Amazon Web Services(以下、AWS)が主催するAWSに関するセッションや展示ブース、試験準備のためのブートキャンプやゲーム化された演習などを通じて、参加者が主体的に学習できるAWS最大のイベントです。

昨年も今年同様でラスベガスとオンラインにて開催されており、85以上の新サービスや新機能が発表されました。昨年の参加人数はオンサイト参加者2万人以上、バーチャル参加者は60万人以上になります。

ワークショップの現地レポート(Day4、Richard McGill、Sam Biddle)

今回は12/1(木)11:00~13:00に開催されたGet hands-on and unlock renewable energy data with AWS IoTに関するワークショップをリポートします。

公式サイトによるセッション紹介を日本語訳すると、以下のような内容になります。

“IoTとデジタルツインで再生可能エネルギーへの移行を加速させたいですか?AWS IoT EnergyKitは、実際の再生可能エネルギー資産を使ったインタラクティブな学習を通じて、IoTの導入を加速させるために設計されたゲーミフィケーション・ワークショップです。

このハンズオンワークショップの風力編では、3Dプリントした風力タービンを組み立て、IoTモノとしてプロビジョニングし、AWS IoT TwinMakerによるリアルタイムダッシュボードで時系列データを可視化します。

再生可能エネルギーにおける実用的なIoTアプリケーションを学びながら、エッジコンピューティング、IoT、分析、デジタルツインサービスを体験できます。参加にはノートPCの持参が必要です。”

登壇者

登壇者はこちらの方です。

会社名 登壇者 役職
Amazon Web Services Sam Biddle Senior Solutions Architect
Amazon Web Services Richard McGill Solutions Architect

目的

ワークショップとはハンズオン形式でAWSの機能について学ぶセッションです。

今回は、AWS IoT EnergyKitを使い、3D風力タービンのデータを可視化してみるという内容です。

背景

風力発電において計画外のメンテナンスや修理でダウンタイムは高価なものになります。

また風力発電などの産業オートメーションの技術はデータと操作が一元化されていないのが現状です。これは孤立したシステムや、レガシーなプロトコルの利用などの理由です。

そこでAWS IoT dataとデジタルツイン技術で運用を最適化し統合することが提案されます。データドリブンな意思決定をより迅速かつ正確に行うには、フィールド技術者とリモートオペレーションチームのために単一の統一された運用ビューが必要になるという認識です。


ここでデジタルツインとは、物理システムの構造、状態、動作を模倣するために動的に更新される物理システムの生きたデジタル表現のことです。

ワークショップでは風力発電のタービンを3Dのデータにし、可視化します。


ハンズオン開始

AWSが用意した環境にログインすることから始まります。参加者にはこのワークショップの時間のみ有効なアカウントが配られました。また丁寧な解説がついたドキュメントをみながら、手順に沿って進めていきます。

ここからは個人のスピードで進めることができ、わからない場合はたくさんいるスタッフにヘルプを求めます。

構築するもの

3D風力タービンのデータを可視化するときの構成図は以下になります。ちなみに私はAmazon S3以外の以下のサービスを全て初めて触ります。

今回のワークショップでは特に以下の部分にフォーカスするそうです。

タービンのシミュレーションデータ

Node-REDを使用してAWS IoTデバイスを視覚化しタービンデータをシミュレートします。

ここは既に設定済みでした。タービンはWEST、CENTER、EASTの3つ用意されています。

データの収集とルーティング

以下の3つについてデータを収集したときの連携先を設定しました。

  • AWS IoT CoreからAmazon S3
  • AWS IoT CoreからAmazon Timestream
  • AWS IoT CoreからAWS IoT Sitewise

  • Console画面で手順通りに設定していけばうまくいくのですが、早速Amazon S3の連携に失敗しました。S3に収集データがアップロードされていくはずなのですが何もありません。

    スタッフにヘルプを求めます。

    英語があまりわからなかったので「Slowly, please.」ともう一度説明をお願いしました。スタッフは優しく、別の易しい言い方で説明してくれました。

    根本解決ではないですが、できなくてもいいから次に進めとのことでした。実際、今回の焦点ではないので後にも影響ありませんでした。

    残りの2つはうまくいきました。写真はAWS IoT SiteWiseのものです。

    オペレーションの可視化

    ここからが焦点となる部分です。AWS IoT SiteWise、AWS IoT TwinMaker、Amazon Managed Grafana(Grafana)で運用を可視化します。

    まずAWS IoT TwinMakerでタービンのデジタルな3Dモデルを作成します。

    次にGrafanaで可視化できるように設定します。Grafanaにログインすると、ワークショップ用にAWS IoT TwinMakerのプラグインがインストール済みになっていました。

    では作成したタービンを表示してみます。

    うまく表示できました!一安心です。

    次にタービンの状態の計測結果をもとにルールを設定して、わかりやすい表示にしていきます。

    今回は以下の3つを設定しました。

  • 温度によるタービンの色の変化
  • 振動(バイブレーション)によるステータスアイコンの表示
  • 1分あたりの回転数(rpm)の表示

  • ダッシュボードに反映してみます。各タービンのゲージパネルも表示します。

    いい感じに表示できたことを確認できました!

    タービンが全て黄色になっていますが、これは温度(Temp)が70度を超えたら黄色にしています。もっと温度が上がるとオレンジ、赤というように色も変わるような設定をしたはずですが変え方がわかりませんでした。

    ここで時間となってしまいました。

    設定したルールが正常に適用されているか確認したかったのですが残念です。この続きは自分用にダッシュボードをカスタマイズする作業がありました。

    まとめ

    AWS IoT TwinMakerを使って3D風力タービンからのデータを可視化する楽しい体験ができました。デジタルツインを初めて知りましたが、とても便利な機能なので日本でも広まるといいですね。

    ワークショップ中は作業を進めることに手一杯でふわっとした理解だったので、後日じっくりAWS のIoTに関するサービス理解を深めていきたいと思います。

    ワークショップはそのサービスについて何も知らない状態でも最後までできるようになっています。reInvent参加の際はぜひ1度足を運んでみてはいかがでしょうか。