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【Google Cloud Next ’24 Las Vegas 現地レポート】 Day1 基調講演 Part2

2024.04.17

本記事のポイント

Googleが主催する世界的なイベント「Google Cloud Next」が、2024年4月9日~4月11日にかけてアメリカのラスベガスにて開催されます。本ブログでは、 Google Cloud Next '24 in Las Vegas に実際に参加したエンジニアから、イベントの様子やKeynote(基調講演)の現地レポートをいち早くお届けします。

第2回目の今回は、4/9(火)09:00~10:30(現地時間)に実施されたThomas Kurianによる基調講演のPart2の内容をお伝えします。


Google Cloud Next とは?

Google Cloud Next とは、Google Cloud のインスピレーション、イノベーション、教育の世界的な展示会です。

意思決定者、開発者、そしてアクセシブルでスケーラブル、かつ社会的責任のあるクラウドに情熱を燃やすすべての人々が一堂に会し、課題、ソリューション、10 倍のアイデア、ゲームを変えるテクノロジーを共有する場です。

基調講演の現地レポート(Day1-Part1、Thomas Kurian)

1回目の基調講演レポートとなる今回は、4/9(火)09:00~10:30に開催されたOpening Keynote: The new way to cloudに関する講演をリポートします。発表内容が盛りだくさんのため、Part1と2に分けてリポートします。
※本記事は後半のPart2となります。

前半のPart1の記事はこちら
https://ops.jig-saw.com/tech-cate/google-cloud-next24-keynote1-1

公式サイトによるセッション紹介を日本語訳すると、以下のような内容になります。

“世界中の組織が革新的なソリューションで変化を推進し、効率を高め、従業員に権限を与え、顧客を魅了し、成長を促進しています。 Google Cloud CEO のトーマス クリアンによるオープニング基調講演に参加し、AI の画期的な進歩に関する独占的な洞察と、世界中の顧客やパートナーからの感動的な成功事例をご覧ください。現実世界の課題に取り組み、変革的な AI 時代に向けて構築するための準備を整えておきます。“

引用元:Google Cloud Next Las Vegas ’24公式サイト

登壇者

登壇者の方はこちらの方です。

会社名 登壇者 役職
Google Cloud Thomas Kurian CEO
Google Cloud Amin Vahdat Vice President of ML, Systems and Cloud
Google Cloud Kristina Behr VP Product Management, Collaboration Apps, Workspace
Google Aparna Pappu GM and VP of Google Workspace
Google Cloud Yasmeen Ahmad Managing Director of Data Analytics
Google Paige Bailey Product Lead (Gen AI)
Google Cloud Brad Calder Vice President and GM
Google Cloud Eliot Danner Managing Director of Customer Engineering
Google Cloud Amanda Lewis Developer Advocate
Google Cloud Gabe Weiss Developer Advocate

内容

概要

今回の開催場所はラスベガスのカジノ・リゾートホテルである「マンダレイ・ベイ」で開催されました。コンベンションセンターを有しており昨年のサンフランシスコよりも拡大された規模となっておりました。

基調講演1日目では「The new way to cloud」としてGoogle Cloudの新しいサービス・機能の発表がありましたが、GenAIの活用を加速させる内容に集約されている印象を受けました。Part2となる本記事では後半の発表の様子をお伝えします。

VertexAIのグラウンディングモデルの発表

Grounding with Google Search(プレビュー)

生成 AI が利用するグラウンディング(生成 AI の誤りを補強するために外部情報を利用すること)の取得先として Google検索の基盤を利用することが可能になります。そのため、インターネット上の鮮度が高く質の高い情報へのアクセスを組み合わせ、生成されたコンテンツの補強に使うことができるようになり、生成AIの回答精度の向上が見込めます。

Grounding with Enterprise Data

企業が自社独自のデータを生成AIのグランディング先として利用することが可能となり、Workday、Salesforce、ServiceNow、Hadoop、Confluence、JIRA などのサードパーティ、AlloyDB や BigQuery といった Google Cloud 上のデータベースを参照先として利用できます。Googleではこれを「Enterprise Truth」と考え、自社のデータクラウド全体で機能構築し、信頼できるデータを提供することを保証しています。

VertexAI Agent Builder

コード不要で会話のようなやりとりでプログラムがVertexAIを利用しタスクを実行するAgentを実装するサービスです。また、「Ground with Google Search」と連携することで生成AIの精度を向上することができ、外部ツールに接続してAPIやサービスをコールし、タスクを実行するフローを制御することができます。

Imagen 2.0

テキストから画像変換する生Imagen 2.0の機能のアップデート発表がありました。
テキストプロンプトからのLive Image(Gifなど)の生成が新たに加わりました。また、Live Imageには安全フィルターや電子透かしが実装され、セキュリティ面の対応も施されています。
また、画像編集機能(Inpainting / Outpainting / Product Image Editing)も実装されImagen上で画像加工が容易にできるようになっています。

生成AIによるデータ活用の拡大

データベースとGeminiと組み合わせることで、自然言語によるSQLの生成やデータ可視化などが可能となる機能を発表しました。これにより、専門のSQL言語知識がなくてもクエリを発行でき、よりGoogle Cloudのデータベース活用が身近になり、ハードルが下がりました。

  • Gemini in BigQuery
  • Gemini in database

  • Gemini Code Assist(プレビュー)

    包括的なコードのレビューやコード生成の支援の機能が発表となりました。またGemini 1.5 Pro モデルを組み込むことによい100万トークンのコンテキストウィンドウの提供が可能となっています。
    また、コードがオンプレミス、Gitlab、Github、Bitbucket、さらには複数のリポジトリなど、どこにあってもプライベート コードベースをサポート可能となります。
    Gemini Code Assistの導入により、Googleの開発の一部では一般的な開発にかかる時間が40%短縮、新しいコードの作成時間が約55%短縮されるなどの効果が見られたとのことです。

    これにより、開発者がより迅速に高品質なアプリケーションを作成するための支援を生成AIによって実現可能となります。

    感想

    Googleからの発表内容が多岐に渡り、非常に内容の濃い基調講演であると感じました。1ブログでは収まらない内容でした。
    とりわけ、生成AIをより高度に、高次元での処理が可能となるような機能アップデート、サービスローンチが多いと思いました。Part2の本ブログでは主にGemini、Vertex AI面でのアップデートについて纏めました。

    エージェントという言葉の印象が強かった今回ですが、文書、画像等を生成するツールとしてだけでなく、その先の、生成結果を活用するところまでを見据えたサービス提供がされている印象を受けました。

    まとめ

    今回は1日目の基調講演「The new way to cloud」のPart2の内容を紹介しました。

    主に生成AIをより高度に活用するための新機能、ワークロード、新発表の「Gemini」に焦点を当てた内容となっていました。
    昨年8月のNEXT’23で生成AIのVertex AI、Duet AIの話がありましたが、1年経過しないうちに新しい「Gemini」の発表など、生成AI周りのアップデートが更に加速しており、今後の勢いに期待が膨らみます。

    Googleからの発表内容のサマリについては以下サイトが参考になります。
    https://cloud.google.com/blog/ja/topics/google-cloud-next/welcome-to-google-cloud-next24

    本記事の内容が皆さんの参考になれば幸いです。