【AWS re:Invent 2023】新サービス Amazon Qのビジネス的活用
2023.12.02
新サービス「Amazon Q」のビジネスシーンにおける詳細がセッションにて解説されました。
本記事ではAmazon Qに関するセッションの内容をまとめています。
AWS re:Invent とは?
re:Inventとは、Amazon Web Services(以下、AWS)が主催するAWSに関するセッションや展示ブース、試験準備のためのブートキャンプやゲーム化された演習などを通じて、参加者が主体的に学習できるAWS最大のイベントです。
昨年も今年同様にラスベガスにて開催されており、60以上の新サービスや新機能が発表されました。昨年の参加人数は5.1万人以上になります。
Amazon Qとは
re:Invent 2023 2日目のKeynoteにて発表された新サービスです。
こちらのサービスは「ビジネスや会社のデータ、運用に合わせて調整可能なジェネレーティブAIアシスタント」と紹介されておりますが、イメージが湧きづらい方も多いかと思われます。
セッションではビジネスシーンにおける活用方法やデモが紹介されていました。本記事ではそちらのセッションの内容をまとめましたのでご覧ください。
セッション情報
セッション名 | Bring the power of generative AI to your employees with Amazon Q |
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セッション概要 | 生成AIを安全かつ迅速に従業員に提供することに苦労していませんか?本セッションでは、Amazon Qがどのように従業員に生成AIのパワーへの安全で迅速なアクセスを提供できるかをご紹介します。 Amazon Qは、自然言語を理解し、接続されたデータソースを使用してコンテキストに沿った回答を提供し、ドキュメントを要約し、コンテンツを生成し、エンタープライズアプリケーションやドキュメントリポジトリ全体でアクションを自動化します。ユーザーが権限に基づいて適切な回答を得られるようにする、エンタープライズグレードのアクセス制御を備えたAmazon Qの実装方法をご覧ください。 |
登壇者 | Nikhil Shetty Shri Santhanam Vikram Anbazhagan |
Amazon Q導入にあたってのメリットと問題点
主な機能は会話型の質問に対して回答してくれるAI機能です。
Amazon Qの特徴でもある生成AIを用いることで、作業活動の約25%を自動化できて、総労働時間のうち2時間も削減できると紹介されております。
とても魅力的な話ではありますがビジネスシーンで用いるとなると以下が懸念点として挙げられます。
セクション内では上記の3観点で紹介されておりました。
情報の正確さ
Amazon Qは文脈の内容や会話の歴史を考慮し、エンタープライズデータより生成された信頼できる回答を提供してくれます。
また事実確認のために公式ドキュメントを引用して回答する場合もあるようです。
デモンストレーションでは2名の会話のスレッド内でAmazon Qへメンションし脈略を考慮した回答を提供している様子が伺えました。
また、アップロードされたファイルを分析して回答することも可能で、現状は以下の拡張子がサポートされており代表的なファイルは網羅されている印象です。
セキュリティ
AWS マネジメントコンソールに限らず外部サービスとの連携が可能とのことで、セキュリティ面はとても気になる要素です。
Amazon Qが外部ユーザーからの質問に対して情報を漏洩してしまう可能性が十分考えられます。
しかし、Amazon QはIdentity Providerよりユーザーとグループ情報を取得しており、アタッチされているポリシーと各種サービスより権限情報を取得しております。
従ってポリシー制御が行われていれば許可がないユーザーに情報が漏洩するリスクは低いと考えられます。
また特別なトピックを定義し以下のようなガードレールの制御が可能なようです。
評価までの時間
Amazon Qはプラグインを使用して外部サービスとの連携も可能とのことです。
例えば「Amazon Qとの会話内容を要約しJIRAへチケットを起票する」などの運用が可能で連携可能なサービスはJIRAやSlackをはじめ下図のように発表されております。
質問の度にAWS マネジメントコンソールへアクセスが必要がなく、デモンストレーションではSlackのみで完結している様子が伺えました。
さらに数秒で質問に沿った回答が返されており驚かされました。
終わりに
Amazon Qはセキュアで迅速に正確な情報を回答してくれる革新的な新機能である印象でした。
既にプレビュー版は公開されており誰でも体験することが可能なので気になる方はぜひ触れてみましょう。
現在は英語のみの対応ですが、日本語への対応にも期待が高まります。
引き続きこの後もKeynoteの情報を公開予定です。