AWS re:Invent とは？

re:Inventとは、Amazon Web Services（以下、AWS）が主催するAWSに関するセッションや展示ブース、試験準備のためのブートキャンプやゲーム化された演習などを通じて、参加者が主体的に学習できるAWS最大のイベントです。

昨年も今年同様でラスベガスとオンラインにて開催されており、85以上の新サービスや新機能が発表されました。昨年の参加人数はオンサイト参加者2万人以上、バーチャル参加者は60万人以上になります。

セッションの現地レポート

今回は、ベネチアンで開催されているExpoのAWS Partner Network boothで行われたAWS Foundational Technical Reviewに関するセッションをリポートします。

本セッションはSilent Sessionとなっており、登壇者はマイクで話していますが、音声は参加者に貸し出されたヘッドホンからのみ聞こえて周囲に音が漏れないといった形のセッションでした。

公式サイトによるセッション紹介を日本語訳すると、以下のような内容になります。

“本セッションでは、AWS Foundational Technical Review (FTR)の概要について説明します。AWS ISV Partner Pathとのエンゲージメントの要は、AWSソリューションアーキテクトが追加費用なしで実施するFTRから始まります。FTRはAWS Well-Architectedのベストプラクティスのサブセットにフォーカスし、各要件の客観的な合格・不合格の基準を定義するものである。また、AWSパートナーがFTRを取得することで、ソリューションレベルのバッジや技術リスクの特定・軽減などの付加価値を得ることができることを説明します。“

登壇者

登壇者はこちらの方です。

会社名	登壇者	役職
Amazon Web Services	Kisha Hymes	Partner Solution Architect
Amazon Web Services	Omar Faruk	Partner Solution Architect

内容

FTRとは？

AWS Foundational Technical Review (FTR)とはAWSパートナーのソフトウェアまたはSaaSソリューションに対してAWS Solution ArchitectがAWS Well-Architectedベストプラクティスに則っているかどうかを無料で実施してくれるサービスのことです。

FTRの利点は？

FTRを受けることで、提供しているソフトウェアまたはSaaSソリューションがAWS Well-Architectedベストプラクティスに則った信頼性、セキュリティ、コンプライアンス、監視運用設計を満たしているかレビューしてもらえるとともに改善方法の提案。

さらにSolution Architectから承認されたレビューには「Reviewed by AWS」ソリューションバッジを獲得でき、AWS パートナーソリューションファインダーにソリューションが追加されるため、顧客が簡単にソリューションを検索することができるようになります。

また、レビュー後には顧客の信頼を獲得する、セキュリティ事故が発生する前にリスクを軽減するなど、Solution ArchitectがAWSを利用したビジネスの拡大に向けて協力してくれます。

FTRを受けるには？

FTRを受けるために、まだ会社がAWS Partner Network (APN)に登録されていない場合は、AWS パートナーセントラルアカウントを作成します（無料）。

APNに登録したら、ソフトウェアパートナーパスに登録します。

パートナーパスに登録後、FTRチェックリストに基づいて自己評価を行ったリストを、パートナーがホストするソリューションの場合はAWS Security Hubを利用して作成されるレポートと一緒に提出し、FTRリクエストを行うことでFTRを受けることができるようになります。

FTRチェックリスト

FTRリクエストを行うために自己評価を行う必要のあるFTRチェックリストは以下の項目です。

AWSルートアカウント

AWS CloudTrail

AWS Identity and Access Management (IAM)

Operational security

ネットワークセキュリティ

バックアップ及び回復

システムの復元力

Amazon S3バケットアクセス

クロスアカウントアクセス

機密情報の保持

コンプライアンスに遵守した検証プロセス

各項目ごとに複数のチェックポイントが用意されているので、それぞれのチェックポイントについて自己評価を実施します。

感想

まさしくAWSのプロが自社のソフトウェアやソリューションをレビューしてくれ、その後はビジネスの拡大にも協力してくれることは魅力的だと思いました。

またにぎやかなExpo内でのSilent Sessionということで、最後の質疑応答の場面でヘッドホンをしていない登壇者が、マイク越しの質問者の質問を聞こえないというハプニングもありましたが、周りの音も気にならずにセッションに集中することができました。

まとめ

AWS Foundational Technical Review (FTR)について、re:Inventのセッションで説明のあった内容を元にまとめてみました。 皆様のご参考になりますと幸いです。