OPS

【AWS re:Invent 2023】Hybrid Cloud StorageとEgde Computer

2023.12.06

本記事のポイント

「STG224 | Hybrid cloud storage and edge compute」のセッション内容を紹介します。本セッションではアクセスやレイテンシなどの制限がある環境において、いかにしてAWSサービスを提供しているかを説明しています。
AWS OutpostsやAWS Snowconeなどに興味のある方はぜひご覧ください。

 

AWS re:Invent とは?

re:Inventとは、Amazon Web Services(以下、AWS)が主催するAWSに関するセッションや展示ブース、試験準備のためのブートキャンプやゲーム化された演習などを通じて、参加者が主体的に学習できるAWS最大のイベントです。

昨年も今年同様にラスベガスにて開催されており、60以上の新サービスや新機能が発表されました。昨年の参加人数は5.1万人以上になります。

セッションの現地レポート(Day1、Hybrid cloud storage and edge compute)

今回は、11/27(月)8:30~9:30に開催されたブレイクアウトセッション STG224 | Hybrid cloud storage and edge computeに関する講演をリポートします。

公式サイトによるセッション紹介を日本語訳すると、以下のような内容になります。

AWSは、遠隔地での運用やクラウドに移行していないワークロードであっても、世界中のほぼすべての場所で、事実上あらゆるワークロードにシームレスにサポートを拡張するサービスを提供します。本セッションでは、クラウドからオンプレミス、エッジまで、必要な場所でAWSサービスを提供する能力を実証するユースケースを深く掘り下げます。AWS Storage Gateway、AWS Snow Family、AWS Outpostsなど、利用可能なサービスオプションについて学びます。


引用元:AWS re:Invent公式サイト

登壇者

登壇者はこちらの方です。
 
会社名 登壇者 役職
Principal Solution Architect, AWS Snow Family Mark Nguyen Amazon Web Services
Senior Product Manager, AWS Snow Family Nida Beig Amazon Web Services
Chief Technologist, Mission Connections & Cybersecurity Ted Suszczynski Viasat, Inc.

セッションの内容

本セッションでは、AWS Hybrid Edgeで取り組んできた内容について説明します。

Learning from our customers

AWSで取り組んできた内容の1点目はハイブリッド環境の顧客の要望に耳を傾けることです。


顧客のユースケ-スからAWSでは、サービスのインフラストラクチャをAWSリージョンからエッジまで拡張する必要性を感じています。エッジ上での低遅延アプリケーションや、エッジからクラウドへのワークロード移行および最新化、ローカルのデータ処理などのユースケースなどについても取り上げています。

AWSでは、複数のソリューションを使用したインフラストラクチャをセットアップする複雑さに加え、顧客毎の要件が存在しているため、アプリケーションとソリューションをエッジ上で維持することが困難であると感じていました。 顧客では、オンプレミスから切断されたストレージにおいて5つの異なる領域での一貫性を求めていました。



  • 高い信頼性と高いパフォーマンス
  • モデルと運用の一貫性
  • サポートされたサービス間で同一APIであること
  • 自動化、セキュリティ制御などのツール
  • クラウドと同等の革新

  • AWS anywhere you need it

    AWSが取り組んできた内容の2点目はシミュレーションモデルと運用の一貫性です。

    APIからツールへの自動化導入の一貫性をエッジだけでなく、機能全体にわたって求めていくことでエッジでのイノベーションも加速します。AWSではAWSでは新しいサービスと機能で AWS クラウドを拡張し、エッジでのアプリケーションの実行、および実行環境の提供を行っています。


    AWSのエッジコンピューティング

    オンプレミスから切断されたストレージにおいて要求される一貫性、シミュレーションモデルと運用の一貫性について、AWSでは要件を満たすAWSサービスを提供しています。

    ・AWS Outposts

    AWS Outposts(以下、Outposts)ではローカル環境にAWSのラック、サーバーを設置し、AWSを自社のオンプレミスサーバーのように拡張して利用することが可能です。Outpostsでは1度開発したアプリケーションをデータセンターやクラウドに展開することができます。


    ・Outposts FamilyにはOutposts rackとOutposts serversが存在しています。Outposts rackは、財務分析、ゲーム、さらにはオンライン カジノ システムなど、保有するデータ センターの近くでアプリケーションを低遅延で実行する必要があるユースケースに適しています。Outposts serversは、スペースに制約があるユースケースにおいて推奨されます。


    またAWSによって提供されるフルマネージドの監視、運用ソリューションやAWSリージョン内と同様のAPIツールが利用できます。AWSではOutopostsの利用可能な地域の拡張に取り組んでおり、76の国と地域で利用可能です。


    ・Far Edge

    次にクラウドへのアクセスが制限されている(あるいはまったくアクセスできない)環境について、いかにしてクラウドへと拡張するかを説明します。


    AWS Snow Familyでは、専用デバイスにAWSベースのソリューションをデプロイし、隔離された オンプレミス環境からデータをクラウドに戻すことを目的としています。

    AWS Snowconeでは、データセンター以外のユースケースに利用されるコンパクトなストレージデバイスです。衛星画像や宇宙航空などサイズに制限のあるユースケースを想定しています。

    AWS Snowballは、コンピューターに最適化されたストレージで予測分析などのエッジで実行される非常に計算量の多いワークロードのユースケースや、エッジで大量のデータを収集し、データをローカルで処理し、このデータをAWS に転送して保存と取得を行うユースケースに適したストレージ最適化デバイスです。

    これらのデバイスについては、いずれも極端な環境や条件下での利用に適しています。

    事例紹介

    これらのユースケースについて2例紹介されておりました。

    Project Sunflower

    Project Sunflowerでは、重要な政府データと商用データをAWS Snowballを利用してクラウド移行する事例が紹介されておりました。 AWS Snowballを利用することで、非常事態下でも迅速にデータ損失が低リスクであるクラウドへと移行できた事例となっております。


    Snowcone in the International Space Station

    宇宙ステーションの事例では、AWS Snowconeを利用し事前トレーニングされたMLモデルを利用した画像処理の事例が紹介されておりました。 AWS SnowconeはEdgeコンピューティング及びストレージ機能を即時利用可能で、耐久性の高いデバイスであることから、このプロジェクトに採用され宇宙へと打ち上げられました。


    まとめ

    AWSではアクセスが制限された環境下でも変わりなくAWSサービスの利用ができるようサポートされています。制限された環境からクラウドへの移行、AWSサービスの利用について顧客のユースケースに合わせて利用するAWSサービスを選択することが大切です。