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[AWS re:Invent 2019] KeynoteにてAmazon Kendraが発表されました

2019.12.07

本記事のポイント

・ Amazon Kendraの発表
・エンタープライズ向けの、機械学習を用いたドキュメント統合・検索サービス
・検索ワードの一致ではなく、関連した内容を検索してくれる
・使っているだけで自動的に学習されていく

はじめに

AWS re:Invent 2019のエントリです。

KeynoteにてAmazon Web Service CEOのAndy Jassyにより新サービス「Amazon Kendra」が発表されたのでそちらの内容をまとめています。

Amazon Kendraとは

エンタープライズにおいて、情報はあらゆるアプリ/サービス (Dropbox, SharePoint, Confluence, etc…)にあらゆる形式で分散しています。そういった情報を統合したりインデックス化したりというのは、一元的に情報を探したい場合には必要ですが大変な作業となります。

そして、仮にそこまでできたとしても、統合された中から欲しい情報を検索するのもまた大変な作業となります。いったい自分の欲しい情報はどんな検索ワードを入れれば見つけられるのでしょう?

そういった課題を解決するのがAmazon Kendra (以下Kendra)となります。

Kendraは企業内に分散したさまざまな形式のドキュメントを自動で統合・インデックス化を行い、一元的に関連したワードで検索できるようにするサービスとなります。

何が嬉しいのか?

  • ・社内に分散しているドキュメントを一元的に検索できるのでいろんなサービス間を探し回らなくてよくなる
  • ・検索時に検索ワードと関係性のあるドキュメントを検索できるので、従来の文字列検索より欲しい情報が見つけやすくなる

Amazon Kendraの使い方

Kendraは先述したサービス以外にも様々なサービスをデータソースとすることができます。それらに加えて事前にFAQを書き加えておいて同期させることで、Kendraは機械学習を用いてドキュメントとFAQから検索用インデックスを構築します。

同期が完了するとKendraコンソール上から検索のテストを実施できるようになるので、コンソール上から関連するパラメータを調整・テストを繰り返して検索の結果を洗練させていきます。

最後に、検索バー・結果表示枠といったようなコンポーネントが構築されているので、既存のアプリケーションの中にコピー&ペーストしたら完了となります。

使用イメージ

既存の検索では、検索ワードの文字列の一致のみを見て合致した結果を返しています。ワードに対する関連性が考慮されていないので、そもそも答えになっていません。ここで得られた結果を見ても無駄に終わることが多いです。

一方でKendraによって作られた検索では、検索ワードとの関連した結果が得られています。これはKendraが関係性を理解できており、質問に対する答えを引き出してくれているからだとしています。

また、Kendraは機械学習に関して、Kendraを使っているだけで改善されていくとしており、継続的な改善を謳っています。

Kendraはプレビュー版が本日より利用可能となります。

最後に

機械学習を利用したエンタープライズ向けサービスであるAmazon Kendra。

社内のナレッジやルール、フローといったものはそれこそ機械的に配置・管理されていて、そこへの直感的な検索・アクセスの手段が抜け落ちがちなもの。そのため結局内容を知っていそうな人に都度聞いて……となりがちです。

ですが、検索語の意味的な部分での答えが返せるフレームワークとなるこのサービスは、その煩雑さを解消しうる素晴らしい可能性を秘めていると感じました。

どこの企業でも(弊社でも……)潜在的に抱えている一般的な課題を解決するという意味で、広く使われていきそうなサービスになりそうです。